OSによるデバイスの囲い込み作戦
Windows 10スマホが“ポケットPC”に変わる、「Continuum」はなぜ重要か
米Microsoftの「Continuum」は「Windows 10」デバイスにとって大きな弾みになるかもしれない。ユーザーの使い勝手が向上し、IT部門はヘルプデスクへの問い合わせの減少が期待できる。
米Microsoftの「Continuum」は「Windows 10」搭載デバイスの操作性を刷新し、企業に多額のコスト削減効果をもたらす可能性がある。
Continuumは、デバイスのフォームファクタに応じてアプリやユーザーインタフェースを最適化する(Continuumの解説記事「徹底レビュー:Windows 10スマホ「Lumia 950 XL」の“PC変身機能”に未来を見た」)。だが企業でこれを使うには予算を握る人物を説得しなければならない。Continuumはアプリケーション開発の合理化や従業員の生産性向上といった効果が期待できる点で、上層部にアピールできる。
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アプリケーション開発コストについては、1つのコードベースで複数の種類のデバイスを横断するアプリケーションを実行できるメリットは非常に大きい。アプリ開発や問題のデバッグ、品質保証テストの実行などに要する時間は大幅に短縮される。
だがContinuumの最大の利点は、スマートデバイスの操作性を高めて生産性向上を後押しし、IT管理者の仕事をやりやすくする点にある。ユーザーは自分のWindows 10搭載スマートフォンで1日の仕事を始め、それから職場に出勤して、Windows 10搭載のタブレットまたはデスクトップPCで全く同じアプリを使って、やり残した所から仕事を再開できる。従来は、高性能ノートPCやSSD(ソリッドステートドライブ)搭載PCを使っても、毎日電源を入れて落とすという儀式だけで平均5~10分は取られるのが普通だ。
Continuumでは、この“儀式”の間でもユーザーは作業の手を止める必要はない。デバイスと使用場所(自宅、車、オフィス、機内など)はシームレスに切り替えられる。Continuumではユーザーが多くのOSやアプリケーションの操作性について理解する必要もなく、IT部門宛てのサポート電話の件数も減る見通しだ。
Windows 10デバイスは必須
ただしContinuumは孤立状態では機能しない。企業はContinuumに最適化したデバイスを使う必要がある。2-in-1市場では、Microsoftが「Surface」タブレットでこのニーズに対応している。また同社は、「Lumia」シリーズスマートフォンの最近のラインアップで、「Continuum」に対応できる主力モデルを発表した。
こうしたWindows 10デバイスによってMicrosoftは、初めて自社のOSを搭載するハードウェアを有効活用できる立場に立った。この戦略は基本的にAppleにならったものだ。だが模倣は最大の賛辞である。Appleはこのモデルに従うことで大きな収益を上げてきた。Lumiaはレガシーモデルでさえも(630、640、730および930)、Windows 10 MobileにアップグレードしてContinuumを活用できる。
Microsoftにとってまだこの先の道のりはとてつもなく長い。だがContinuumの存在は同社の戦略にとって大きく、計画通りに開発されている。Windows 8の失敗があまりにひどく、Microsoftがモバイル市場でごくわずかなシェアしか握っていないことを考えると、同社にとってこれは同分野で残された最後のチャンスになる公算が極めて大きい。
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