新OSのモバイル機能をレビュー
「Windows 10スマホ」 vs. 「iPhone」、頂上決戦はいつ起きる?
米Microsoftは「Windows 8」の失敗からの挽回を目指し、「Windows 10」の大幅な改良を打ち出している。この新OSのモバイル機能の目玉を見てみよう。
米Microsoftは、不評だった「Windows 8」からの巻き返しを図るべく、「Windows 10」で大幅な改良を加えている。モバイル機能分野では、シームレスに端末を利用できる「Continuum」機能、セキュリティを強化するコンテナ化機能などを追加した。
Windows 8では、従来のスタートメニューが急に廃止されたことと、タッチ画面技術偏重になったことに企業から不満が噴出したが、Windows 10ではこの両方の問題に対策が施されている。2015年1月、一部の機能がプレビュー公開され、Windows 10に対する最初の反応はおおむね好意的だった。この新OSは、スマートフォンやタブレットにも対応しているが、デスクトップやノートPC、その他の端末のユーザーの使い勝手を犠牲にはしていないようだ。
また、Windows 10はあらゆるタイプの端末でスムーズに動作するという。Windows 10のContinuumモードやその他のモバイル機能は、企業ユーザーにどのような影響を与えるのだろうか。
Windows 10はスマートフォン、タブレットでも動作
Windows 10で新しく導入されるContinuum機能では、1つの端末で複数のユーザーインタフェースを利用でき、2-in-1型端末のタブレットモードとPCモードが自然に切り替わる。また、「Office」にもユニバーサルアプリ版が登場し、「Microsoft Word」「Excel」「PowerPoint」がタッチ画面モードからキーボードとマウスを使うモードにシームレスに切り替わる。
Windows 10は、あらゆるMicrosoft製スマートフォン、タブレット、ノートPC、デスクトップPC、さらには組み込み機器でも動作し、小さなスマートフォン「Lumia」から、巨大な84インチ端末「Surface Hub」にまで対応している。Continuumモードと併せ、こうしたWindows 10の汎用性によって端末間の行き来が簡単になる。
仕事用と私用のデータを分離できるのか
Windows 10のコンテナ化機能では、会社のデータと個人のデータを分離できる。IT部門は、従業員個人の利用習慣に関係なく、会社のデータをアプリ内で管理、保護できる。
企業が重要なアプリやデータをロックダウン(アクセス制御などで用途を特定化)する機能も追加された。これによって、従業員は更新を常時自動強制されるのではなく、必要なセキュリティ更新のみ受け取る。Windows 10には暗号化機能「BitLocker」が実装されており、システム、ストレージ機器、メール、クラウドシステムのどこに移動するデータであっても保護される。
Windows 10のセキュリティ機能
複数のOSを管理して保護するのは、1つのOSの場合より大変だ。「Windows Phone OS」が廃止となり、Windows 10があらゆるMicrosoft製端末のOSになれば、セキュリティは容易になる。IT担当者が保護すべき対象領域は狭まり、サイバー犯罪者からのネットワーク侵入経路も少なくなる。組み込みの多要素認証が実装されたことも、不正アクセスに多用される手口の断絶に役立つ。
BYOD(私物端末の業務利用)ではセキュリティが常に重要な懸案事項だが、Windows 10はデータ損失防止にも対応している。IT部門は、会社のデータにアクセスできるアプリを制限でき、適切なセキュリティプロファイルがないとデータのコピーやアクセスもできないように指定できる。また、VPN(仮想プライベートネットワーク)にアクセスできるアプリも指定でき、ポートやIPアドレスに基づいてアクセスを制限できる。従業員がインストールできるアプリケーションを制限することも可能だ。
Windows 10で「Windows Phone」の人気はアップ?
Windows Phone端末の問題はOSではなく、競合他社製品の方が従業員に好まれている点だ。企業のBYOD分野では、米Appleの「iOS」や米Googleの「Android」に対応した端末の優勢が続いている。従業員にとっては、エコシステムを乗り換えるだけのよほどの理由がない限り、Windows端末は補足品でしかない。ただ、Windowsユニバーサルアプリプラットフォームによって使いやすいユーザーエクスペリエンスの開発が進めば、従業員の考えも変わるかもしれない。
Windows 10はiOSやAndroidに対抗できるか
iOSとAndroidでもMicrosoft Officeが使えるようになり、MicrosoftはOfficeアプリへのモバイルアクセスという最大の強みを放棄したようにも見える。幸い、これらのアプリケーションは、Windows 10プレビュー版が稼働しているタブレットでも、フリーズしたりクラッシュしたりすることなくスムーズに動いている。
Microsoftは、Windows 7/8/8.1のユーザー向けに、Windows 10リリースから1年間の無償アップグレードを提供する。ホログラフィックコンピューティングや音声アシスタント機能「Cortana」のフル統合といった新機能もデスクトップOSとしての優位性に貢献するだろうが、IT担当者としてはモバイル機能も見逃せない。端末横断機能の向上やタッチ操作対応端末でのContinuumモード導入でユーザーの操作性は良くなり、IT部門によるモバイルデータの管理性と保護能力は拡大するだろう。
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