ヒットは確実? 実は多数ある採用を遅らせる要因
Windows 10無料化に“落とし穴”、小型タブレットが避けられない制限とは
「Windows 10」のプレビュー版は、「Windows 8」のユーザーインタフェースを嫌う人たちへの歩み寄りを示す内容となっている。だが、画面サイズの制限や「Windows Server」が同時にリリースされないことなどが影響し、採用が遅れる可能性もある。
米Microsoftは2015年1月、次期OS「Windows 10 Technical Preview」の最新ビルドを公開した。テクニカルプレビュー版は誰でも無料でインストール可能で、最新の開発状況を確認することができる。
一部のアナリストや専門家の予想とは異なり、最新ビルドは次期OSの概要を示すだけにとどまっていない。Microsoftは、現行OS「Windows 8/8.1」に対する不満の声に耳を傾け、歩み寄ろうとしている。
新たな技術の開発と斬新な製品の創出という点においても、Microsoftはまだその能力を失っていないことを示した。新デバイス「Microsoft HoloLens」はその大きな証拠の1つだ。
それでは、最新ビルドについて企業が注目すべき点はどこなのだろうか。本稿では、最新のプレビュー版を基にそのポイントを紹介する。
Windows 10のインタフェースで原点回帰
2014年秋にテクニカルプレビュー版が公開されてから最新ビルドに至るまで、Windows 10のユーザーインタフェース(UI)は機能改善を繰り返している。その変更はユーザー(特に企業ユーザー)にとって期待が持てる内容となっている。OSの起動時に表示されるデフォルトの画面が、スタート画面ではなくデスクトップ画面になっているのは、Windowsをタブレットとして使うつもりのない多くのユーザーにとって十分に納得できる点だろう。
「スタート」メニューはデザインが新しくなったが、アプリケーションを起動したりファイルにアクセスしたりするための基本的な場所であるという点では変更はない。シンプルなデザインと構成なので、「Windows XP」や「Windows 7」のユーザーも簡単に使いこなせるはずだ。
仮想的なデスクトップ画面によってマルチモニター環境を拡張する新機能も大いに重宝しそうだ。「Internet Explorer(IE)」はページがより正確にレンダリングされるよう改善されており、新しいWebブラウザも開発中だ。
Continuumでタブレットとデスクトップを融合
「Continuum」は企業ユーザーにとって魅力的な機能の1つとなりそうだ。単一の端末上でタブレットとノートPCという2つの全く異なるモードを真に統合することになる。
そもそもこれはWindows 8が目指していたことだ。同OSでは、スタート画面と全画面表示のModern UI(旧Metro UI)はタブレット向け、デスクトップ環境は従来のビジネスアプリケーション向けとされていた。だが、大半のユーザーはこれを失敗と捉えた。Windows 10のテクニカルプレビュー版では、Continuumによってこの問題が解消されている。
多くの業界観測筋は、「Microsoft Surface」に外付けキーボードを装着すると自動的にデスクトップ画面に切り替わり、切り離すと自動的にModern UIに切り替わると期待していた。しかしながら、現状でその処理は自動では行われない。それにより、Windows 10やSurfaceなどのタッチスクリーン端末の採用が抑えられる可能性もある。
ハードウェアの画面サイズが重要に
Windows 10が無料であるのなら、「iPad」やAndroidタブレットを支給する代わりに、低価格な小型Windowsタブレットを導入しようと考えている企業もあるかもしれない。しかも、Windows端末なのだから、既存の管理インフラに統合できるだろうと考えてはいないだろうか。その考えは甘い。
Microsoftの発表によると、小型タブレット向けのWindows 10では、Modern UI対応のユニバーサルアプリと全画面表示のスタート画面のみが動作する仕組みとなっている。つまり、従来のWindowsデスクトップアプリやレガシーアプリは、8インチ以下のWindows端末では利用できないということだ。
あるアナリストが指摘しているように、Windows 10の全機能を活用するためには、8インチ以上の画面が必要となる。この点は、タブレット向けに開発された「Windows RT」の制限とよく似ている。レガシーアプリを実行できず、既存インフラでのデバイス管理もできないのであれば、iPadを導入しても同じことだ。Microsoftの思惑がどうであれ、Windows 10を搭載する小型タブレットの企業導入が進むことはなさそうだ。
次期Windows Serverのリリースは2016年に延期
Microsoftは先日、Windows 10クライアントと次期版「Windows Server 10」(仮称)を同時にリリースする計画の中止を発表した。うわさによれば、品質に関する懸念が理由とのことだ。WindowsのクライアントOSとサーバOSを同時にリリースすることで、Microsoftは相互作用を期待していた。
Windows 10はしっかりとした堅実なOSとなりつつあるようだが、企業にはまだ、管理や制御の点でWindows 10がどのような機能を備えるのかを探る機会は提供されていない。
次期版Windows Serverの状況はまだはっきりしていない。しかし、Windows 10の新たなUIは、Windows 8/8.1での過ちを帳消しにすることになるのは明らかだ。Windows 10はWindows 7の移行先としてもお勧めのOSとなるだろう。
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