「Google Glass」の二の舞は避けたい
「Windows 10」よりも注目を浴びるSF的技術「Windows Holographic」の使い道
「Windows 10」の多くの新機能は、ビジネスユーザーの現実的なニーズに結び付いている。しかし、専門家から最大の称賛を浴びたのが「Windows Holographic」というSF的な機能だ。
米Microsoftは2015年1月下旬、「Windows 10」の目玉となる一連の新機能に加え、新しいハードウェアや革新的な技術を発表した。これらの新技術を紹介したMicrosoftのWebキャストを見たIT専門家たちの反応は「これらは全部、きちんと動くのだろうか」というものであった。「専門家が思わず目を見張る“無料OS”『Windows 10』の目玉機能」に続き、「これまでで最高のMicrosoftのOS」と銘打たれたWindows 10の注目すべき新機能を紹介する。
仮想アシスタント「Cortana」がさらに身近な存在に
Windows 10で採用されるユニバーサルアプリ開発プラットフォームにより、同OS向けに作成されたアプリケーションはノートPCやデスクトップPCだけでなく、タブレットやスマートフォン、「Xbox One」にも対応する。デジタルアシスタントの「Cortana」はPCと緊密に連係する。さらに、従来の「Internet Explorer」に代わる新ブラウザの「Project Spartan」(開発コード名)が採用される。
Microsoftはさらに、向こう5カ月にわたって開発が続けられるビルドに関する情報として、CortanaとPCとの緊密な統合およびProject Spartanの詳細を明らかにした。
「Microsoft Word」「Microsoft Excel」「Microsoft PowerPoint」など、もともとPC用に作られている業務アプリケーションは、タッチスクリーン用あるいはキーボード&マウス用にチューニングされる。またWindows 10では、モバイルデバイスからのワイヤレス印刷もサポートされるという。
また、Windows 10に組み込まれる電子メールソフトウェア「Microsoft Outlook」にはWordのワープロエンジンが搭載され、おなじみのリボンインタフェースも採用される。Outlookでは、左あるいは右にスワイプすることによって、メールを素早く削除したりフラグを設定したりできる。PCでもこの機能が利用できるようになる。
CortanaがクライアントPCでも利用できるというのは、デスクトップを高度にパーソナライズしたいビジネスユーザーには歓迎されそうだ。Microsoftによると、デジタルアシスタントのCortanaは、ユーザーについて学習したことをノートブック(Notebook)と呼ばれる領域に記録するが、ユーザーがそのノートブックを編集することでCortanaの対応能力を改良することもできるという。Cortanaに組み込まれている音声認識ソフトウェアも改善されているようで、名前のスペル(アドレス帳から検索される)および句読点が正しく表示されるようになっている。
さらにMicrosoftは、新しいハードウェア「Surface Hub」も披露した。これはコンピュータと一体化した84インチのディスプレーで、センサーやカメラ、スピーカー、マイクロフォン、Wi-Fi機能を内蔵し、デジタルペンを使って書き込むホワイトボードとしても利用できる。これらの機能を組み合わせれば、リモートユーザーとのビデオ会議を効率的に行えそうだ。Surface Hubは2015年内に発売される予定。価格は発表されていない。
現実世界と融合するホログラム
Windows 10の各種の新機能は、ビジネスユーザーの今日の現実的ニーズに結び付いているが、IT業界ウオッチャーから最大の称賛を浴びたのが「Windows Holographic」というSF的な機能だ。
Microsoftが開発したホログラフィー搭載コンピュータは「Microsoft HoloLens」と呼ばれる。これは「Google Glass」のような眼鏡型端末で自己完結型なのが特徴。年内にWindows 10とほぼ同時期にリリースされる予定だ。
開発者は、ユニバーサルアプリプラットフォームを利用してWindows 10上で動作するホログラフィーアプリケーションを作成できる。
HoloLensを使えば、高解像度のホログラム映像をサラウンドサウンド付きで見ることができる。Microsoftは内蔵のCPUとGPUを組み合わせる方式からさらに一歩進み、空間マッピングやジェスチャー/音声コマンドなどをサポートする専用プロセッサ「Holographic Processing Unit」を開発した。同社によると、HoloLensは単独で動作し、センサーから取り込んだ数Tバイトもの情報をリアルタイムで処理できる。マーカーや外部カメラ、携帯電話、PCとの接続なども不要だという。
HoloLensの利用分野としては、「Skype」などのアプリケーションや、作成物を3Dで表示したい開発者向けの用途などが考えられる。Webキャストのデモでは、開発者がホログラフィーを利用した開発環境「HoloStudio」を使って3Dオブジェクトを作成する様子が紹介された。
「HoloLensは没入型の入出力装置だといえる」と前出Directions on Microsoftのミラー氏は説明する。「企業用から一般消費者向けまで、さまざまな利用形態が思い浮かぶ。価格と発売時期が問題だが、これが最初のバージョンであり、Windows 10のユニバーサルアプリケーションも動作することを考えれば、非常に魅力的な技術だ」
Microsoftは何年も前から、同社のビジターセンターの地下にある研究所で極秘裏にホログラムソフトウェアの開発を進めてきた。開発情報を意図的にリークすることが多いMicrosoftにとっては異例のことであり、多くの業界関係者を驚嘆させた。
「Microsoftは久しぶりに大きな見せ場を作った」と米調査会社Gartnerのアナリスト、マイケル・シルバー氏は話す。
Microsoftは2015年1月末に「Windows 10 Technical Preview」をPC上でテストしている「Windows Insider Program」のユーザー向けに最新ビルドをリリースした。2月にはWindows Phoneのテクニカルプレビューが提供される予定だ。
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