ようやくパブリッククラウド本流の時代か
停滞するプライベートクラウド、加速するパブリッククラウド その差は何?(2/2 ページ)
451 Researchが最近実施した調査で、クラウドを使用していないと答えた回答者はたった11%だった。この割合は、半年後には7%未満になることが予想される。SaaSの導入率は60%と広く導入されており、次点はプライベートクラウドで42%という結果だ。IaaSの成長率は著しく、今後6カ月の間に47%のユーザーに普及すると見られている。一方、PaaSの使用率は今後6カ月の間に現状の24%から35%に拡大することが見込まれている。
PaaSは、ユーザーによって異なる意味を持っているとライヒマン氏は指摘する。これには、ソフトウェア開発用の市販ツールが含まれる。ただし、ハイエンドになるにつれてAmazon Web Servicesや他のIaaSベンダーの製品やサービスが多く含まれるようになる。
「インフラのみを提供するリスクについてAmazonが認識しているのは明らかだ。コンポーネントではなく、ソリューションを利用したいと考える企業は増えている。Amazonが同社の妥当性を維持するには、企業が求める方向に進まざるを得ない」(ライヒマン氏)
顧客はクラウドファーストの考え方に移行している。メールやコラボレーションなど差別化要素のないタスクをSaaSベンダーに委託しようとしている。条件は、サービスがセキュアで効果的であることだ。それから、企業はスタックを詳しく調査し始め、他の選択肢では対応できない場合のみオンプレミスの製品を導入するとライヒマン氏は補足している。
PaaS普及の主な原動力の1つは、データの急成長にある。それから、ベンダーが価値をアプリケーションに外挿する方法と、開発者がアプリケーションを開発する方法も影響している。そう語るのは、IDCで調査部門のマネジャーを務めるラリー・カルバリョ氏だ。また、同氏は、2016年にデータの管理、分析、コグニティブテクノロジーについて大きな成長が見られると予測している。
「2年前であれば、それほど多くのデータや検出パターンは存在していなかった。だが、ユーザーがデータをクラウドに格納するようになり、ユーザーはクラウドに格納したデータから実際に価値を得るようになっている」(カルバリョ氏)
IaaSとPaaSの急成長は2020年までには落ち着き、パブリック/プライベートのIaaSとPaaSへの投資は2020年までには900億ドルに到達するとTechnology Business Research(TBR)は予測している。
「2019年と2020年は高い成長率を維持するだろうが、今ほどの勢いはない」とTBRでアナリストを務めるカサンドラ・ムーシアン氏は語る。
期待値に達していないセグメントを挙げるならば、プライベートクラウドだろう。TBRは、今後数年、プライベートクラウドがパブリッククラウドより緩やかな成長を遂げると予測している。パブリッククラウドは、コスト効率が高く、多くの懸念事項も緩和されている。
「数年前であれば、パブリッククラウドがセキュアでないため、プライベートクラウドが人気を博しているというのが一般的な見解だった。この見解に対応すべく、パブリッククラウド会社は能力の強化に励んだ。その結果、マルチテナントとシングルテナントの間に大きな差はない」(ムーシアン氏)
事実、451 Researchの調査では、プライベートクラウドの使用率は低下している。2014年第4四半期は55%だったが、2015年第3四半期では41%になっている。顧客が既存のものを破棄しているわけではない。この減少傾向は、プライベートクラウドサービスとして代金が請求されている仮想化サーバと本物のプライベートクラウドサービスを企業が識別できるようになっていることの現われだとライヒマン氏は見ている。
「しばらくの間、企業はプライベートクラウドサービスとして代金が請求される仮想化サーバを受け入れることをいとわなかったが、今はそうではない。企業がクラウドについて理解を深めているという意味で、この状況はクラウド市場にとって喜ばしいことだ」とライヒマン氏は語る。
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