マルチデバイスで使える強力なコラボレーション機能
Googleは「Google for Work」にどこまで本気? 企業ユーザーを魅了できるか(2/2 ページ)
GoogleのUCプラットフォームの長所と短所
ハングアウトは、インスタントメッセージング(IM)や、音声およびビデオコミュニケーションができるリアルタイムコミュニケーションプラットフォームサービスだ。音声サービスは、PSTN(公衆交換電話網)サービスおよび、クライアント間コミュニケーションに最適だ。ハングアウトは、Googleアプリケーション全体でサポートしており、チャット履歴は、ユーザーが無効にしない限り、自動的に保存される。
一般的な企業向けUC機能として、音声電話との統合が挙げられる。その例には、IMの会話から音声通話への切り替えや、通話に際してのステータスの自動変更などがある。これはハングアウトの弱点となっている。ハングアウトは、サードパーティーシステムと統合されておらず、電話エンドポイントも直接サポートしていない。
ハングアウトとUCサービスを統合する方法は幾つかある。Dialpadや、RingCentral、Vonageなど、「サービスとしてのUC」(UCaaS)を提供する事業者の一部は、Google for Workを積極的に販売している。こうした事業者は、自社のサービスをGoogleインタフェース(クリックツーダイヤル、連絡先、統合型カレンダーなど)を介して提供している。だが、大抵の場合、IMやショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディア メッセージ(MMS)機能は、独自のクライアントで提供している。
Dialpadが提供するモバイルアプリケーションは、どのデバイスから電話をかける場合でも、発信者番号をAndroidスマートフォンのビジネス用番号に統一する。Vonageのサービスは、プレゼンスやステータスをサポートする「Googleトーク」(ハングアウトの前身)と統合している。Zang.io Connectの場合は、Cisco SystemsやAvayaのUCシステムの顧客向けに、GoogleユーザーがそれらのUCクライアントからハングアウトを起動するためのミドルウェアを提供している。
Googleは、テレビ会議用に「Chromebox for Meetings」も提供している。Chromebox for Meetingsは3つのサイズが用意されており、1室につき最大20人の会議参加者に対応する。この製品はGoogleカレンダーと統合されており、標準ディスプレイに接続して使うコントロールユニット、HDカメラ、マイクが用意されている。
Googleは、ハングアウトと従来のH.264システムを接続するVidyoのゲートウェイ製品「VidyoH2O」(Vidyo's Hangouts 2Others)も提供している。また電話会議では、UberConferenceとInterCallの電話会議サービスがハングアウトと統合されている。
Googleのコラボレーションはモビリティ、クラウド、ブラウザに力点
Androidのモバイルエコシステムは、Googleにとって非常に戦略的なものになっている。Androidが提供する「Managed Profile」は、アプリケーションを安全な環境で動作させることができる。この機能を利用して、エンタープライズアプリケーションを分離したり、個人用アプリケーションを分離したりできる。GoogleはGoogle for Workでモバイルデバイス管理機能も提供している。
Google for Workの大きな利点は、クラウドベースで、Webブラウザで使いやすいことにある。このことはワークステーションの要件の簡素化につながることにもなる。これは購入や保守、アップグレードといった「分散ワークステーション」のコスト抑制に取り組んできた企業にとって、恩恵になる。
数社のベンダーが販売しているChromebookは、Chromeブラウザのみが動作するようになっている。また、Webブラウザを利用したワークフローを使って、低コストでさまざまなアプリケーションを提供している。現在、Chromebookで動くAndroidアプリケーションはわずかだが、「GoogleがChromeOSとAndroidプラットフォームのギャップを埋める過程で、より多くのAndroidアプリケーションが動くようになるのではないか」と臆測されている。
ビジネスの世界とコンシューマーの世界が融合
Google for Workは、豊富なコラボレーションおよびコミュニケーション機能を企業に提供する。だが、エンタープライズコラボレーションは、Googleの主力事業ではない。同社は主に消費者向けのサービスや広告を中心に手掛けていたが、Google for Workのサービスポートフォリオを一貫して拡充してきた。最近では、VMwareの共同創業者ダイアン・グリーン氏を迎え、あらゆる規模の企業にクラウドプラットフォームや、機械学習、言語処理などのさらなるサービスを提供する責任者に据えた。
Google for Workは、充実した機能を手ごろな料金で提供する。ほとんどの社員が既に消費者向けバージョンに慣れているというメリットもあって、そのおかげでトレーニングの負担も軽減される。このサービスは、AndroidやChromeの環境でより威力を発揮するが、これら以外の環境でも利用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[テクバン株式会社] 1画面でITサービスデスク業務が完結 太陽ホールディングスに学ぶデバイス管理 -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] ライセンス無料 Drupalベースの「多言語ECサイト開発用パッケージ」の実力は? -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] 日本発グローバル企業用Drupal「Risley(リズリー)」の実力とは? -
製品資料
[デジタルサーカス株式会社] Drupalサイト運用のリスク解消 潜在的なセキュリティ問題を迅速に発見する方法 -
製品資料
[株式会社ソースポッド] SCS評価制度への対応で工数が増大? 取得後の管理・運用をどう進めるべきか
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
2
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
3
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
4
世界PC出荷数が20%急減 情シスを直撃するPC先行調達の反動と価格高騰
-
5
脱VMwareか、継続か? 仮想化ソフト主要6製品の運用管理と統制機能を徹底比較
-
6
326のIPアドレスで1200超のアクセス AIエージェント関与が疑われる攻撃の中身
-
7
セキュリティは「情シス任せ」が過半数 漏えい発生時やSCS評価制度の課題は?
-
8
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
9
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
10
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
2
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
3
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
4
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
5
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
6
プログラミング不要で誰でも実現できる、ネットワーク運用管理の自動化とは
-
7
東大教授と考える、AI時代の「データ主権」「信頼性」「ガバナンス」の在り方
-
8
Linux初心者でも知らないとまずい「RHEL」「SLES」の違いとは?
-
9
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
10
生成AIの活用を阻む「5つの壁」とは? AIネイティブ組織へ変革を遂げる方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー