企業への攻撃をできるだけ少なくするには
IT担当者必携「モバイルセキュリティチェックリスト」6カ条
企業は常にモバイルセキュリティの脅威にさらされており、それらを阻止する責任はIT担当者の肩にかかっている。IT担当者にとって重要なモバイルセキュリティチェックリスト6項目を紹介する。
IT担当者は、企業データに対する脅威について警戒を怠ってはならない。モバイルセキュリティチェックリストはそのための重要な武器の1つだ。
完全無欠のセキュリティは存在せず、今後もそれは変わらないだろう。リソースへのアクセスを制限しても、誰かがアクセスできる限りは不正なアクセスも可能だからだ。巧妙なハッカーを阻止できても、プロの情報窃盗犯は重大任務を帯びたスパイと同じで、企業情報の傍受や業務妨害を企て、破壊的な被害をもたらすだろう。
完全無欠のセキュリティは無理でも、可能な限り侵害しにくいモバイルセキュリティを構築して、国家レベルのアクセス権限を持ったハッカーを除く大多数の攻撃者を阻止するのがIT管理者の責務だ。業種や規模、インフラやツールに関係なく、セキュリティの基本は同じということだ。
モバイルデバイスを活用する現在の企業を最大限攻撃しにくくするためにIT担当者が実践すべきモバイルセキュリティチェックリストを紹介する。
ポリシー、教育、強化促進
全てのモバイルセキュリティチェックリストは、セキュリティポリシーの策定で始まる。このポリシーでは、どの情報を保護するか、誰にどのような条件でアクセスを許可するか、侵害が発生した場合はどのように対処するかを明確にする。管理者は、IT部門が定めたポリシー、ツール、システム、手順について、全員に理解してもらわなければならない。正式な教育やトレーニングに加え、定期的な注意喚起や強化促進も重要だ。
暗号化
ネットワークでやりとりしたり、サーバやモバイルデバイスに保存したりする機密データは、暗号化する必要がある。通信事業者によるトラフィック暗号化に頼らず、自社のVPNを活用しよう。ストレージデバイスに保存するデータも暗号化しなければならない。データを盗まれたとしても、適切に暗号化してあれば、ほとんどの攻撃者に内容を見られずに済む。もしかすると国家レベルの攻撃者による傍受も防げるかもしれない。
認証
認証は身元を確認する手段であり、一般にユーザー名とパスワードの組み合わせを使用する。2要素認証の場合は、スマートフォンなど本人だけが所有するものと、本人だけが知っているものを使う。ユーザー別とセッション別の暗号キーを生成する認証は、ネットワークトラフィック傍受の阻止に役立つ。現在のアイデンティティー管理ツールでは、ディレクトリサービスなどで重要なIT要素を統一的に管理できる。
管理と制御
数多く出回っているエンタープライズモビリティ管理ツールは、IT部門にとってモバイルセキュリティの主要手段となっている。モバイルアプリケーションとコンテンツ管理において特に重要だ。セキュアコンテナモデルは、モバイルユーザーとモバイルデバイスだけでなく組織全体に適用する。管理コンソール、アナリティクス、定期的なモニタリングも重要だ。また、総合的なモバイルデバイス管理の一部としてマルウェア対策プログラムもあるが、そうした製品の有効性に懐疑的なIT担当者もいる。いずれにせよ、サーバ側のマルウェア検査の重要性は一層高まっている。
物理的セキュリティ
機密を要する施設への立ち入りや設備の使用は厳重に制限する必要があり、ITプロセスや保存の設備、ネットワーク機器も例外ではない。自社の機器なら簡単に施錠できるが、クラウドサービスベンダーとそのポリシーや能力についても確認する必要がある。イーサネットスイッチや無線LANアクセスポイント(AP)は無防備なままのことが多く、コンソールアラームやログ記録での監視が重要だ。一時的なAP停止であっても、アラートを注意深く調べ、全てのAPとスイッチを物理的にロックダウンして、不正の形跡がないか定期的に機器を検査すべきだ。多くの環境では監視カメラも有効だ。これには無線LANも活用できる。
耐障害性と災害復旧
物理的セキュリティの範囲をさらに広げて、全般的な保全の検討も重要だ。火災や洪水、停電、その他の自然災害や人為的災害の発生によって基幹IT設備が停止するといった最悪の事態に備える必要がある。これまでは設備の多重化という方法を選んできたが、クラウドという新しい選択肢が登場した。冗長サービスプロバイダーの採用などでクラウドに予備設備を構築したり、サービスとしての災害復旧を利用したりすることが可能だ。
多くのIT担当者は、耐障害性とスケーラビリティを備え、オンデマンドで利用できて透明性の高いクラウドに、事実上全ての重要なITプロセスと保存の機能を移行することを望んでいる。多くのクラウドサービスプロバイダーが既に「Security as a Service」(サービスとしてのセキュリティ)を提供しており、今後はクラウド中心のベストプラクティスをもっと簡単に活用できるようになり、価格的にも有利になっていくだろう。
常にいえることだが、セキュリティのあらゆる側面について最新の情報を把握しておくことが重要だ。この仕事には終わりがなく、モバイルセキュリティの脅威や戦略、ツールの状況は変わり続けている。大きな組織では、専門のセキュリティチームを構成して毎日警戒を怠らず、戦略上の弱点や問題が起こりやすい部分を調べ、モバイルセキュリティチェックリストを徹底的に活用する必要がある。
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