多くの業界が抱えるリスク
企業の信用に関わる大問題「ネットワーク障害」を防止する9つの鉄則(2/2 ページ)
ベンダーとの提携と学習の継続
さらに企業はベンダーとより緊密な関係を築き、ネットワーク障害のリスクを最小限に抑える必要がある。ドバリナ氏によれば、セントエドワーズ大学はスイッチとルーターの採用で、ネットワーク機器ベンダーExtreme Networksと緊密に連携している。
「ベンダーを選ぶ際は、フルソリューションを提供するベンダーか、ネットワーク機器のみを提供するベンダーかの確認が必要だ」とドバリナ氏は語る。新しいプロジェクトに着手する際は、Extreme Networksと協力してソリューションを入念に計画、策定し、概念実証を実施して、本番環境への導入前に必要なテストを実行できるようにしているという。
ネットワーク技術の最新トレンドについて学習を続けることも重要だ。ドバリナ氏とセントエドワーズ大学上級ネットワーク管理者のポール・ミクラス氏は、地元や全米各地で開催される展示会に定期的に出席するようにしているという。
「技術が自分たちのところに来てくれるまで待つ人もいる。だが私たちは先を見越した行動を心掛けている。最新技術について学び、それを私たちのオペレーションにどう生かせるかを考察するのに多くの時間を費やしている」とミクラス氏は語る。
プログラマブルネットワークの台頭
プログラマブルネットワーク技術を活用すれば、手作業での設定変更の負担やそれに伴うエラーの可能性を軽減し、ネットワーク障害のリスクを最小限に抑えることができるという考え方もある。
「この20年間、ネットワークの管理はほとんど変わらない。顧客の話では、ネットワークエンジニアは勤務時間の80%を、ただシステムを稼働させ続けるために費やしているという」。Ciscoのエンタープライズネットワーク担当上級副社長、ジェフ・リード氏はそう語る。手作業のタスクがあまりに多く、ITスタッフはせっかくのスキルをビジネス推進のためのアプリケーションに生かすことができないという。
リード氏によれば、目下Ciscoはスイッチ製品の設計の効率化に取り組んでおり、この効率化はネットワーク設定の手間を軽減するのにも役立つという。Brocade Communications Systems、Pluribus Networks、Barefoot Networksなどのベンダーも、プログラマブルネットワーク技術を提供している。
「私たちはスイッチにより多くのインテリジェンスを組み込もうとしている。そうすることで、ネットワークエンジニアがハイレベルな取り組みに集中できる。ネットワークエンジニアはネットワークの細かい設定ではなく、どのアプリケーショントラフィックを優先すべきかといったことに、もっと重点を置くべきだ」とリード氏は語る。
スイッチとルーターの高性能化と効率化が進めば、ネットワーク障害のリスクを最小限に抑えることができる。ただしネットワーク利用企業はそれでも、ドバリナ氏やラムズデン氏が概略を述べたようなベストプラクティスを心に留めておく必要がある。新しいスイッチは寿命が少し長く、間接費も減るかもしれないが、それでもやはりネットワーク利用企業は更新ポリシーを策定しておくべきだ。構成設定の大半を自動化したとしても、何か異常が起きた場合に備えて監視する必要がある。
最後に、企業は現在の状況を見直し、自社の今後にとって最適な提携相手を選ぶ必要がある。中には、社内のデータセンターにこだわり、慣れ親しんだ技術やポリシーを変えたがらない企業もあるかもしれない。だがコスト的な理由から、今後多くの企業はデータセンターの少なくとも一部を「Amazon Web Services」や「Microsoft Azure」などのクラウドサービスと協力して動かすことになるだろう。そのためには、新たな考え方とオープンソースネットワーキングのような新たな技術が必要となる。
この点についてはまた別の機会に。差し当たっては、とにかくシステムを中断させないようにすることが重要だ。
ネットワーク障害を防ぐためのベストプラクティス
ネットワーク障害を防ぐためのポイントとして、Enterprise Strategy Groupのダン・コンデ氏は次の9点を挙げる。
- ベストプラクティスをエンドツーエンドで実施する。ネットワーク全体の強度は、最も弱い部分の強度で決まるからだ。
- 基本に忠実に。ハードウェアを保守し、古いシステムを避け、分析を実行し、適切な電力供給とバックアップを確保し、電力系統のストレステストを実施する。
- システム全体に対する防災訓練を実施する。一部のリンクをシャットダウンし、適切なフェイルオーバーが起動するかを確認する。起動しない場合は、設定に問題があるのかもしれない。
- 可能であれば、ルーターのスタンバイプロトコルを使用する。ルーターのレイヤー間に冗長性を持たせること。「Virtual Router Redundancy Protocol」や「Hot Standby Router Protocol」などのプロトコルを使用して、プライマリルーターが使用できなくなった場合にスタンバイルーターが引き継げるようにする。
- ISPと提携する。ネットワークキャリアから代替ルートを確保する。帯域幅に十分な料金を支払い、スタンバイパスが飽和状態になっても機能停止が連鎖しないようにする。
- ネットワーク管理ツールの最新版を使う。適切なネットワーク可視化監視ツールを導入し、防災訓練中やアプリケーション導入テスト中も常に使用する。これはサービス保証の鍵となる非常に重要な部分だ。問題を理解しなければ、どう対処すべきかも分からない。#アプリケーション層について考える。インフラストラクチャとアプリケーションの連係を意識して、全体的なアーキテクチャを設計する。既にあるインフラストラクチャにアプリケーションを無理に合わせることはしない。まずアプリケーションを設計し、次にそのニーズを満たすインフラストラクチャを設計する。インフラストラクチャとアプリケーションの両方をまとめて考えることが大切だ。
- 徹底する。リンクとデバイスの両方について、問題がないかを確認する。一方に意識を集中するあまり、もう一方をないがしろにすべきではない。
- 追跡調査。現実であれ訓練中であれ、何か問題が発生した場合は、徹底的な事後分析を実施する。
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