アスペクト比18:9が目を引く
徹底レビュー:「LG G6」は縦長ディスプレイで「Galaxy S8」に勝負を挑む?(2/2 ページ)
ディスプレイ
過去のモデルと比較してディスプレイが縦長になったことを強調するために、LGの担当者は意図的にLG G6のアスペクト比が2:1ではなく18:9だと主張している。なお、解像度は2880×1440になり、564ppiの画素密度を実現するのに十分な値となっている。事実、IPS LCDディスプレイは申し分ない。画素密度が非常に高いだけでなく、自動設定により最大600ニトまで明るさが快適な状態に調整されるだけでなく、コントラストも非常に優れている。
深みのある暗色と乳白色のクリアな白の色調により、非常に見やすい。また、直射日光の下でも問題なく快適に使うことができる。LG G6のディスプレイ品質は、Appleの「iPhone 7 Plus」に引けをとらない。唯一異議を唱えるとすれば、色の鮮明さで、LG G6のディスプレイが寒色寄りであることだろう。だが、使用時に問題になることはなく、日常的に使用する分には不快感を覚えることもない。ただ、軽微な欠点があるだけだ。
パフォーマンスとバッテリー持続時間
LG G6には、クアッドコアのSnapdragon 821プロセッサとQualcommの「Kyro」コア2基(2.35 GHz、1.6 GHz)が搭載されている。Snapdragon 821は、Qualcommが提供している2番手のプロセッサだ。米国ラスベガスで2017年1月に開催された「CES 2017」では「Snapdragon 835」が発表されているが、LG G6は最先端の仕様よりも実用性が重要であることを示す1例だ。LG G6は、Primate Labsの「GeekBench」のシングルコアのテストで1730、マルチコアのテストで4210というスコアを記録している。これは、HTCの「HTC U Ultra」など同じチップセットを搭載した競合機種や2016年のSamsungのフラグシップモデル「Galaxy S7 edge」などとそん色ない記録である。日常使いであれば、LG G6の動作はとてもスムーズで、正真正銘のフラグシップモデルのように機能する。
LG G6には、グラフィックシステムとして「Adreno 530」が搭載されている。これは、LG G5に搭載されているものと同じで、米国市場向けのGalaxy S8で採用されている最新版の「Adreno 540」と比べると機能面で劣る。なお、米国市場向けのGalaxy S8では、Samsungの「Exynos」ではなくSnapdragon 835が搭載されている。LG G6には、4GBのRAM、32GBまたは64GBのメモリストレージが用意されており、microSDカードスロットもある。メモリストレージは、32GBだと少し心もとないが、64GBあれば快適に使えるだろう。Snapdragon 821により、LTE Cat 11/12が実現されている。つまり、ダウンリンクのピーク速度は最大600Mbps、アップリンクのピーク速度は150Mbpsだ。
バッテリー容量が3300mAhあるのは、LG G6最大の魅力の1つだろう。バッテリー容量は、LG G5と比べて約18%大きくなっているのに対して、電力を最も消費するパーツであるディスプレイのサイズは約8%しか大きくなっていない。厳密なバッテリー持続時間のテストを実施したところ、LG G6のバッテリーは、LG G5より約25%長時間持続する結果となった。これは大幅な向上で、LG G6は充電しなくても丸2日使えることが期待できる。高い負荷をかけて、明るさを最大に設定して、動画を長時間再生しても、LG G6は朝から深夜まで問題なく使えるだろう。また、LG G6は「QuickCharge 3.0」(9V/1.8A)に対応している。そのため、47%のバッテリーをたった30分で充電できる。
カメラ
デュアルカメラが搭載されたことによって、2つの背面カメラを搭載していた過去のモデルと比べてLG G6には目新しさがある。どちらのカメラにも同じ13MPのセンサーが搭載されているが、光学的な特徴は異なる。そのため、メインレンズの絞り値(F値)は1.8、焦点距離は30ミリ、画角は71度となっている。これは32ミリフィルムと同等だ。もう一方のレンズのF値は2.4で、画角は125度だ。それから、プライマリレンズには、3軸による手ブレ補正とオートフォーカスの機能が搭載されている。なお、もう一方のレンズには、これらの機能は非搭載だ。
画質に関しては、満足できるレベルでない。背面カメラのレンズで採用されているセンサーは、ソニーが2015年にリリースした「IMX258」だ。このセンサーは、LG G6よりもずっと安価で小型のデバイスで使用されることが多く、LG G5にも導入されていた。このセンサーの影響は、大量のノイズやきめの粗さという形で、夜間に撮影した写真で如実に表れる。一方、色の解釈は非常に正確だ。そのため、日中に撮影した写真は問題ない。
LGは「レーザーオートフォーカス」を使用しなくなっている。だが、LG G6の背面カメラのメインレンズには位相差検出機能が搭載されている。スマートフォンの背面にデュアルカメラを搭載する試みは、まだ実験段階にある。全てのメーカーが、この機能を取りあえず採用している。LGは顧客に最も好まれると判断した機能と仕様を選んでLG G6を設計したように思える。
それから、LG G6ではソフトウェアで新しいアスペクト比を活用している。多くのネイティブアプリには、インタフェースを2分割にするオプションが用意されている。例えば、写真を撮影すると、写真アプリでは、画面の片側に撮影した写真が表示され、残りの部分は次の写真を撮るためのファインダーとして機能するといった具合だ。とは言うものの、デュアルカメラのソフトウェアで、ぼけ効果がサポートされていないのは残念である。なお、前面カメラでは、5MPの広角レンズ(画角100度)が採用されている。
結論
LG G6は縦長のディスプレイであることから、Galaxy S8のまねをしたようにも見える。だが、LG G6は非常に優秀なスマートフォンだ。実用性を重視しながら、他とは違ったものを欲しいと思っている人にとって魅力的な製品だろう。最新のトップモデルのスペックと比べると見劣りするが、バッテリー持続時間は平均以上で、ソフトウェアとハードウェアについては適度なバランスが保たれている。この点を加味すると、正真正銘のフラグシップ向けのハードウェアを搭載したスマートフォンと比べると、LG G6の価値寿命は物理寿命より短くなるだろう。そのため、LG G6はスマートフォンを頻繁に変更するユーザーにお勧めだ。
長所
- 美しいディスプレイ
- 優れたバッテリー時間
- 堅実なパフォーマンス
短所
- 最新のハードウェアが搭載されていない
- 暗がりで撮影した写真の品質が低い
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