“使い心地”のテストが必須
「Amazon Echo」が失敗するとしたらその理由は何か?
Amazon Echoが示すのは、もはや情報のやりとりにキーボードは必要ではないという新しい常識だ。その際、ユーザーが評価するのはシステム全体の使い心地になるだろう。
「Amazon Echo」は年末商戦のギフトとして注目を浴びると期待されており、多くの人はデジタルホームアシスタントが約束する世界を味わってみたいと考えている。「Amazon Alexa」のエコシステムも進化し続けており、現在多くのサードパーティー製品の重要なプラットフォームとなっている。Amazonをはじめ、これらのサードパーティーベンダーにとっては、エンドユーザーにシームレスな使い心地(ユーザーエクスペリエンス)を提供することが極めて重要だ。
モノのインターネット(IoT)の発達により、テクノロジーが人々の生活の中に直接取り込まれ、その結果、ユーザーエクスペリエンスと品質への要望が急速に増大している。現在、システムは分散し、異機種混在の環境を構成しており、多くのグラフィックスを使用するシステムを含む全てを問題なく動作させるためには、システムを再構成するくらいの膨大なテストが必要となっている。
人間はもはやキーボードでは情報のやりとりをしない
Echoは、もはや人間はキーボードなどの制御環境を介してテクノロジーと情報をやりとりする必要がないことを示す優れた事例だ。ユーザーインタフェースは必ずしもテキストボックスやラベル、ボタンの集合体でなくてもよいことが分かる。
Echoを通じて提供されるサービスやコンテンツにおいては、ユーザーが何度も繰り返し楽しむことのできるエクスペリエンスの提供を保証するため、エンドユーザーの視点に立ったシステム全体のテストが必要となる。何らかの「想定外」は発生し得る、とテスターが開き直ることができた時代は、もう過ぎ去った。デジタル世界で成功するためには、継続的なユーザーエクスペリエンスのモニタリングが必須だ。
特に音声を使用する場合、エンドユーザーエクスペリエンスのテストは不可欠だ。例えば、Alexaは、人の話すさまざまなアクセントを聞き取り、正確な応答を行うことができるかといったテストが必要だ。午後7時ではなく、午前7時に部屋の照明を点灯したいという人は誰もいないし、車庫のドアを閉める代わりに、開けたままにしたいという人も誰もいない。ベンダーは特定のコンポーネントのみならず、全体的なエクスペリエンスをテストする必要がある。コードを単に確認するだけでなく、複数のレベルでユーザーエクスペリエンスを確認することが求められるだろう。
従って、Amazonが引き続きデジタルホームアシスタント市場のシェア拡大を望んでいるのであれば、ユーザーエクスペリエンスの観点から見て、満たされるべき一連の指標の設定を検討する必要がある。そしてこの基準によって、プロバイダーがユーザーエクスペリエンスを容易に達成できるように仕向ける必要がある。だがこれは決して容易な仕事ではない。
ユーザーがいかなるIoT製品やサービスに対しても簡単かつ正確に対話できるかどうかが今後の成否を左右する。Echo製品がワンシーズン限りの一発屋で終わらないためには、単なる玩具ではなく、今後長年にわたり不可欠なツールとして楽しいユーザーエクスペリエンスを提供できるかどうかが重要なポイントとなるだろう。
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