「HFS Plus」から何が変わったのか
Appleの20年ぶり新ファイルシステム「Apple File System」(APFS)を理解する
Appleが新しいファイルシステム「Apple File System」(APFS)をリリースした。長らく同社製品で利用されてきた「HFS Plus」(Mac OS拡張フォーマット)とは、何が違うのか。
Appleのクライアントデバイス「Mac」の管理者は、同社の新しいファイルシステムの一部始終を知る必要がある。このファイルシステムを用いると、ストレージ容量の増加につながるのが、その主な理由だ。
ファイルシステムが整備されていることは極めて重要である。組織が処理するデータの1つ1つを特定・追跡でき、さらに保存したり、エンドユーザーの手で回復したりできるようになるからだ。HFS(階層型ファイルシステム、別名「Mac OS標準フォーマット」)は1980年代以来ずっと、iOSおよびMacのHDD用のApple標準ファイルシステムだった。1998年にはアップデートバージョンである「HFS Plus」(別名「Mac OS拡張フォーマット」)が登場した。
2017年、Appleは「iOS 10.3」および「macOS High Sierra」をリリースし、「Apple File System」(APFS)が新しい標準となった。
Appleデバイスの管理制品を開発するJAMF Softwareの年次ユーザーカンファレンス「Jamf Nation User Conference」への参加者は、APFSの目新しい機能や設定方法、今後のストレージの管理方法を学んだ。SAPのITテクノロジーシニアコンサルタント、リッチ・トルートン氏は同カンファレンスのセッションで、以下に紹介する情報を共有した。
HFSとAPFSの対比
HFSとAPFSの最も大きな違いは、ストレージ容量に関係している。APFSは900京件を超えるファイルを格納できるのに対し、HFS Plusはシングルボリュームで40億件にとどまる。APFSはスパースファイル(ディスクに割り当てられていない空のデータ領域を持つファイル)も扱うことができ、これによってディスクの空き容量をより効率的に利用できる。
HFSはディスク内のボリューム(1つのファイルシステムを含むストレージ内の領域)で構成し、ボリュームは固定長のブロックに分割してストレージに割り当てる。APFSの基本となるストレージの単位は「コンテナ」と呼ぶパーティションだ。コンテナには複数のボリューム(仮想パーティション)を作成できる。このボリュームは、ストレージ内の利用可能ないずれの空きスペースも利用できる。こうしたスペース共有機能の存在は、動的にボリュームの容量を増減できることを意味する。この機能はSSDに加え、ディスクイメージやその他の種類のストレージにも適用される。
macOS High Sierraは依然HFS Plusの利用が可能だが、Appleは段階的にHFS Plusを廃止し、最終的にはサポートを終了する可能性が高い。そのためAPFSへの移行を推奨する、とトルートン氏は語る。
APFSのフォーマットおよび管理
APFSのボリュームを使用して管理するには、ディスクやパーティションを管理するmacOSのコマンド「diskutil」を利用する。
ディスクをフォーマットするには、まずdiskutilを使用してコンテナを設定する。コマンド「createContainer」を用いてストレージ区域を作成するが、最初、ストレージは空だ。そこで次にボリュームを追加する必要がある。diskutilを再び利用して、APFSのボリュームに名前を追加することも可能だ。
ストレージ内でさらに多くの物理的なスペースが利用できる場合、コンテナを拡張するには、コマンド「resizeContainer」を利用して拡張したいコンテナを指定する。diskutilでコマンド「list」を実行して、増加した容量をギガバイト単位まで確認できる。macOSのディスク管理ツール「ディスクユーティリティ」を使えば、各コンテナの空き容量も閲覧可能だ。
「クローン」もAPFSの新しい機能だ。このクローン機能を使うと、ファイルやディレクトリのコピー作成が可能となり、追加スペースを必要とせず元データの正確なコピーを保存できる。間違ってデータを消去してしまった場合、またはファイルに影響し得るファイルシステムのさまざまな問題が発生した場合に有効だ。元データを削除した場合でも、まるでコピーしたバージョンがオリジナルのファイルであるかのようにアクセスしたり、管理したりできる。
HFSからAPFSへの変換
Appleによると、MacをHigh Sierraへアップグレードする場合、実装しているドライブの種類次第では、APFSへ自動変換されない可能性があるという。例えばSSDを搭載したMacは自動的にAPFSへ変換するが、他の種類のドライブが実装されていると変換されないことがある。
手動で変換する場合、HFS PlusからAPFSへ変換するためにドライブのマウントを解除する必要がある。diskutilで変換コマンドを実行すれば、HFSからAPFSへ変換できる。「ファイルシステムの変換には私も懸念を抱いていたのだが、これまでのところ悲痛な叫びを聞いたことはない」とトルートン氏は言う。
「tmutil」というコマンドを使用すれば、APFSの「ローカルスナップショット」(バックアップの一部をローカルディスクに保存したもの)を取得できる。ローカルスナップショットを確認するには、macOS設定の「Time Machine」のページを訪問するとよい。そこではマウントしたドライブのリストの中にローカルスナップショットを表示する。ローカルスナップショットは、プログラムまたはファイルが間違って消去された場合、またはデータを復元する必要がある場合に役立つ。
APFSでファイルやシステムを回復するためには、Time Machineで起動ドライブとローカルスナップショットを選択して、起動ドライブをローカルスナップショットの状態に復元する。デバイスの再起動を必要とするソフトウェアアップデートがある場合、APFSはアップデートに先立ちファイルシステム自体のローカルスナップショットを自動的に作成する。そのため全てのファイルとシステムの扱いやすいコピーを備えつつ、アップデート後も確実に全てのファイルやシステムを無傷なまま保持することができる。
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