“安価版Pixel”ともいえる仕上がり
「Nokia 8」徹底レビュー、“憧れのNokia”復活を予感させるAndroidスマホ(2/2 ページ)
パフォーマンスとバッテリー持続時間
Nokia 8は最先端のハードウェアを採用している。ベースは前述の通りSnapdragon 835だ。Snapdragon 835は、Qualcommのプロセッサコア「Kryo」8基で構成される。64GBのストレージモデルと4GBのRAMを内蔵する。搭載しているGoogleの「Android 7.1.1 Nougat」は「Android 8.0 Oreo」へアップグレード可能だ。UIの変更により動作が重くなるようなこともない。
総合ベンチマークテストで、Nokia 8は期待以上のスコアを達成した。Primate Labsのベンチマークテストツール「Geekbench」を使用したテストで、Samsung Electronicsの「Galaxy S8」よりもわずかに優れた結果を残した。1基のコアを使用する場合と、複数のコアを使用する場合の、両方のテストで上回った。
Nokia 8にプリインストールされているAndroidは、確かに「純正」と呼べるものだ。だが例えば、GoogleのPixelが搭載しているものと全く同じではない。カメラアプリが異なり、Nokia 8専用の機能を一部搭載している。カメラの基本機能しか使わない場合でも、Googleの純正版Androidよりも直感的に使えるようにしており、高速化もしている。それ以外の違いは、単なる外観的なものだ。ホーム画面下の列に固定した基本アプリケーションのアイコンは、青の色調になっている。そのため最初は、これらのアイコンを見分けづらいと感じた。
内蔵バッテリーの容量は3090mAhだ。トップクラスの機種を含めて考えると、スペックがそれほど高いとは感じられない。それでもNokia 8は、日常用途に関してその第一印象よりも長い稼働時間を実現した。特別大型のディスプレイを採用しておらず、SoCが最新で、前述の冷却システムも備えていることなどが、その背景にある。スマートフォンの一般的な用途なら、充電しなくても約1日半は持続する。もっと頻繁に使用しても、朝から寝るまでは再充電を考えずに済むだろう。さらにQualcommの「Quick Charge 3.0」規格に準拠しているため急速充電が可能だ。30分の充電でバッテリーを48%まで回復できる。
カメラ
Nokia 8は2つのアウトカメラ(写真2)と1つのインカメラを搭載する。これら3つのカメラは全て1300万画素で、ZEISSブランドのレンズを採用した。アウトカメラの1つ目はカラー、2つ目はモノクロだ。前者のみ光学手振れ補正を採用した。Huawei Technologiesも同社の上位モデルに同様の構成を採用しており、レンズはLeica Cameraブランドのものを使用している。その差は明確とはいえ、色調や細部の違いでしかない。
実際にNokia 8で撮影すると、ダイナミックレンジ(一度に記録できる明暗差の幅)に優れた平均以上の写真を撮影できる(写真3)。正確さに欠ける自動フォーカスシステムは問題だ。夜中の撮影ではシステムに混乱が生じる傾向があり、カメラで撮影対象を自動追跡するのに時間がかかる。ただし適切に写真を撮影すれば、それが夜であっても優れた画質に仕上がる。この仕上がりは、HMD GlobalがNokiaブランドを継承する前の画質を思い起こさせる。
Nokia 8の特殊な機能には、デュアルカメラを使用してボケ効果を適用する珍しい機能がある。デュアルカメラを使用していても、この機能を適用するかどうかはユーザーが選べる。インカメラとアウトカメラでの写真や動画の同時撮影を可能にするオプションもある。撮影した映像は2画面に分割される。さらにこうした動画を「YouTube」「Facebook」といったオンラインサービスでストリーミング配信できる。これは面白い機能で、こうしたサービスでよく見掛けるライブストリーミングとは別物だ。
このようにNokia 8のカメラは創造的で、申し分のないものに仕上がっている。だが自動フォーカスシステムについては、改善の取り組みが求められる。
結論
市場への新規参入ベンダーの製品と考えれば、Nokia 8は素晴らしいスマートフォンだ。このような評価を与えるのは、特に堅牢な仕上がりによるところが大きい。Snapdragon 835の非常に優れたパフォーマンスはもちろん、ディスプレイのコントラストも同じくらい印象的なものになっている。ディスプレイのベゼル(額縁部分)が非常に広いことと、カメラで撮影した写真や映像が、厳密には修正されている点には改良の余地があるだろう。
とはいえ、こうした欠点はもう1つの重要なセールスポイントで確実に補える。それは余計なものがプリインストールされておらず、簡単にアップグレードできるAndroidだ。Nokiaブランドは、かつての世界トップクラスのスマートフォンメーカーとしての輝かしい地位を取り戻すべく、その体勢を整えている。もう少し早くこの道へと踏み出していたなら、そのチャンスはもっと大きなものになっていただろう、と考えずにはいられない。
長所
- Nokiaブランドに恥じない印象的な調和と仕上がり
- 素晴らしいディスプレイコントラスト
- アウトカメラとインカメラによる創造的なストリーミング機能
- トップクラスのSoCパフォーマンス
短所
- 広過ぎるディスプレイベゼルを含む時代遅れの本体
- 背面カメラの正確性に欠ける自動フォーカスシステム
- 物足りない防水性能
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