大手の独走態勢は過去 注目の8社を紹介
巨人に挑む新興ストレージベンダーが熱い理由、「AWS下位互換」「SDSとフラッシュの融合」に注目(2/4 ページ)
Elastifile
CEO・共同創業者:アミール・アハロニ氏
主要商品:Elastifile Cloud File System
発売日:2017年4月
カテゴリー:ファイルストレージ、ストレージアウト型ファイルストレージ
注目理由:分散メタデータ
懸念点:大手のファイルシステムが市場の優位を占めている
イスラエルのソフトウェア専門ベンダーElastifileは、フラッシュやクラウドストレージに最適化した分散ファイルシステムを販売している。アクティブなデータ(ホットデータ)はフラッシュに、非アクティブデータはクラウドに保持するのがこのシステムの特徴だ。
「Elastifile Cloud File System(ECFS)」はフラッシュを採用しているローカルにあるサーバ端末へインストールする。ローカルデータはクラウドコネクターファブリック(クラウド環境とローカル環境の接続機能)でクラウド環境との間を透過的に移動する。ユーザーはどの保存場所からもファイルにアクセス可能となる。
アーキテクチャとしては、軽量の仮想コントローラーを各サーバに展開して、サーバ側のフラッシュ容量を集約し、これを「Portable Operating System Interface(POSIX)」準拠のグローバル名前空間とする。POSIXとはさまざまオペレーティングシステムに実装するためIEEEが策定したAPI規格である。この仮想コントローラーによってアプリケーションでECFSをマウントでき、ノード間でファイルやディレクトリの所有権を細かく分散できる。ECFSのコントローラーはノード間のバックエンドでのレプリケーションも処理する。
Elastifileは、メタデータのボトルネックを解決するために設立された。その基盤となるのはフラッシュストレージである。特許を取得したECFSのアルゴリズムは、クラスタ化したノード間でメタデータ管理を分割する。動的なメタデータ所有権は、ノードの障害や負荷分散、コンセンサス(事前設計)に基づくデータ配置に対応できる。
Elastifileは、ベンチャーキャピタルや大手ストレージベンダーなどから6500万ドル以上の資金を調達した。Cisco、Dell EMC、Lenovo、バックアップを中心としたストレージ企業であるWestern Digitalが同社に出資している。Dell EMCはElastifileのソフトウェアをインストールした「PowerEdge」サーバを販売しており、今後、他の戦略的投資家とも同様のパートナーシップを結ぶことが期待される。
Amazonのようなサービスをオンプレミスで提供しようという新興データストレージベンダーは他にもある。例えば2016年から注目されている新興ベンダーVelostrataなどとElastifileは戦わねばならない。さらに、SaaS(Software as a Service)を提供する他のベンダー同様、企業からメインストレージシステム向けハイブリッドクラウドへの信頼を勝ち取るという課題にも直面している。
Minio
CEO・共同創業者:アーナンド・バブー・ペリアサミ氏
主要商品:Minio
発売日:2017年2月
カテゴリー:オブジェクトストレージ
注目理由:スケーラブルなDevOpsストレージの需要拡大
懸念点:Minioのオープンソースは競合ひしめくオブジェクトストレージ市場のニッチ領域である
Minioは「Amazon Simple Storage Service(S3)」互換のコミュニティー開発オブジェクトストレージでニッチ領域を狙う。
Minioの統合版NAS/SANオブジェクトストレージの対象は、企業での導入機運が高まっている「DevOps」のチームだ。開発チームはMinioを使ってアプリケーションを作成し、S3互換クラウドに移植できる。Minioソフトウェアは、Google Labsが開発した「Go」プログラミング言語で構築されており、Minio分散ストレージサーバやデスクトップファイル管理クライアント、「Java」「JavaScript」「Python」用Minioソフトウェア開発キットなどのツールが含まれる。数KB~最大5T(テラ)Bのオブジェクトサイズをサポートする。
Minioは非構造化データを対象とし、コンテナやログファイル、写真、動画、VM(仮想)イメージなどのデータを保存、バックアップする。オブジェクトストレージは単一テナント、マルチテナントアーキテクチャ、1つの共通マウントポイントを共有する分散モデルに展開可能だ。POSIXと「Representational State Transfer(RESTful)」のAPIから同時にファイルやオブジェクトにアクセスできる。
MinioのCEOで共同創業者のアーナンド・バブー・ペリアサミ氏は、スケールアウト型ストレージの経験を持つ。Minioの前に設立したGlusterでオープンソースファイルシステム「GlusterFS」の開発に従事した(Glusterは2011年、Red Hatが1億3600万ドルで買収)。開発者たちに受け入れられることから出発するのはいいことだが、長く生き残るためには、競争の激しいオブジェクトストレージ市場で地位を獲得する必要がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー