AI(人工知能)やサーバレスのトレンドに対応
キャリアアップをしたいクラウドエンジニアなら当然知っておきたい5つのスキル(2/2 ページ)
マイクロサービスとコンテナの知識が必須
既存のアプリケーションをリファクタリングしてクラウドに移行しようと奮闘する企業がある一方で、クラウドに最適化されたアプリケーションを一から開発しようという企業も増えつつある。こうしたクラウドネイティブなアプリケーションは、処理の自動化やスケーラビリティなど、クラウドのメリットを活用することを最初から想定して開発されている。
2018年には、クラウドネイティブなアプリケーションを好む傾向が加速することが予想される。その結果、企業にはクラウドネイティブなアプリケーションの開発に役立つスキルを持つ人材が必要となる。求められるのは、マイクロサービスやコンテナの他、Kubernetes、「Apache Mesos」「Docker Swarm」といったコンテナオーケストレーションエンジンなどのスキルだ。
「クラウドネイティブなプラットフォームに移行する開発者が増えている」とForresterのバルトレッティ氏は語る。コンテナとKubernetesのオーケストレーション機能を使い、高度に分散化されたマイクロサービスの集合体として一からアプリケーションを開発したいということのようだ。
Linux Academyのジェームズ氏によれば、Kubernetesのスキルは特に需要が高いという。クラウドネイティブなアプリケーションの開発から運用、管理までを自社で実施したいという企業が増えている影響だ。
「仮想マシンをクラウドに移行することはできる。だがそれでは仮想化プラットフォームをクラウドに移行しているだけであって、本当の意味でのクラウドネイティブではない」とジェームズ氏は語る。Kubernetesはマイクロサービス型アプリケーションの開発に役立つ。マイクロサービス型のアプリケーションであれば、マルチクラウド環境でも運用規模を容易に調整できる。
KubernetesはGoogleが開発した技術だが、AWSとAzureはその人気の高まりを認識し、それぞれ2017年にKubernetesとの連携を強化している。Microsoftは10月に、Kubernetesに特化したコンテナサービス「Azure Container Service」を発表。AWSは11月に自社の年次イベント「re:Invent」において、AWSでKubernetesを簡単に実行できるマネージド型サービス「Amazon Elastic Container Service for Kubernetes」(Amazon EKS)を発表した。
クラウドネイティブアプリケーションの開発と運用にコンテナ技術を用いる企業が増える中、ITプロフェッショナルにとっては、クラウドベンダーが提供するコンテナサービスとKubernetesサービスに関連したスキルのブラッシュアップが重要となるだろう。さらにDevOps関連のクラウドコンピューティングスキルについても、こうしたクラウドネイティブなアプリケーションを開発する企業の間で、今後も需要の高い状態が続きそうだ。
DevOpsはもはや単なるバズワードではない。完全に現実のものとして、ITに大きな影響を与えている。「DevOpsの分野には大きな注目と需要が集まっている」とIT技術者向けオンライントレーニングサービスを提供するCBT Nuggetsで講師を務めるアンソニー・セケイラ氏は語る。
クラウドセキュリティにはベンダー固有のスキルが武器に
メディアの見出しを飾るような大規模なデータ漏えいは、今後もクラウドセキュリティ分野の最優先課題となる。Forresterによれば、クラウドセキュリティツールに対する全世界の支出は年率28%の勢いで増加し、2021年には35億ドルに達する見通しだという。
企業がクラウドセキュリティに投資するのは、特に新しい傾向ではない。ただし2018年には、企業はITセキュリティの幅広い知識を持つ人材よりも、各クラウドプロバイダーが提供する独自のセキュリティツールを使いこなせる人材を求めることになりそうだ。知識の幅よりも深さを求める企業が増えつつある。
451 Researchが最近発表した調査報告書「Voice of the Enterprise(企業の声)」によると、企業に「最も重視するスキル」を尋ねたところ、「セキュリティ」という回答が最も多く、その次が「クラウドプラットフォームの専門知識」だった。「大半がパブリッククラウドのセキュリティを重視している。大きな成長が見込まれる分野だ」と451 Researchのライマン氏は語る。
AWSとAzureとGoogleはいずれも監視や暗号化、ID管理など、似たようなセキュリティサービスを提供している。ただしその使用方法はプラットフォームごとに異なる。そのため、1社のサービスに関する知識が必ずしも他社のサービスに通用するとは限らない。
「基本的には、自社が利用しているクラウドプロバイダーが提供するセキュリティ機能について、チーム内の誰かがスペシャリストになる必要がある」とForresterのバルトレッティ氏は語る。
クラウドセキュリティのスペシャリストが履歴書を強化するためには、トレーニングプログラムや資格認定を利用して、各プラットフォームに固有のスキルをブラッシュアップする必要がある。自分の会社がAWSを使っているのなら、「AWS Config」など、AWSの標準ツールを使いこなすスキルを身に付けるといい。AWS Configはクラウドリソースをより細かなレベルで制御し、リスクの可能性を警告するアラートを自動的に送信するサービスだ。
「最近は、プラットフォームに組み込まれたセキュリティ機能を使いこなすスキルが重要となっている」とLinux Academyのジェームズ氏は語る。
さらにセキュリティ管理者はクラウドコンピューティングスキルを最新の状態に保つために、人工知能(AI)や機械学習など、最先端のトレンドについても把握しておく必要がある。一部のクラウドベンダーは現在、こうした最新技術を取り入れ、自社サービスの強化を図っている。AWSが2017年8月に発表した「Amazon Macie」は、AWSに保存されているデータを、機械学習を使って自動的に検索、分類、保護するためのマネージド型のセキュリティサービスだ。
ライマン氏によれば、クラウドセキュリティのスペシャリストはDevOpsとの連携にも注意を向ける必要があるという。
DevOps導入において、セキュリティはますます大きな要素となっていくことが予想される。「セキュリティはクラウドのスペシャリストが身に付けるべき非常に重要なスキルだ。少なくともある程度のことは知っておく必要がある」とライマン氏は語る。
最後にもう1つ、最新のコンプライアンスと規制要件を把握しておくことも重要だ。特に欧州連合(EU)の「一般データ保護規則」(GDPR:General Data Protection Regulation)への対応については、常に最新情報を入手しておく必要がある。
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