新プログラムでGoogleはIT担当者の信頼を得られるか
Googleが太鼓判を押すビジネス端末「Android Enterprise Recommended」、対象デバイスは?
Googleの新プログラムでは、一定の基準を満たしたデバイスを承認し、Androidの定期的なセキュリティアップデートを提供するとともに、一貫した管理性を実現する。
Googleが2018年2月21日に発表した「Android Enterprise Recommended」プログラムは、一定の基準を満たし、仕様ガイドラインに沿ったデバイスを承認する。Google「一押し」のデバイスというわけだ。業務利用とセキュリティに優れたデバイスが対象となる。例えばAndroidのセキュリティアップデートがリリースされて90日以内に適応するデバイス、などが条件となる。
「Googleは再び企業に対し、『あなた方が選ぶデバイスは安全です』と説得を試みている」。グローバルオンラインメディア企業Oathのエンタープライズアーキテクト、ブライアン・カッツ氏はそう解説する。「だがその根拠はあやふやで、一部のデバイスには定期的なアップデートが配信されるものの、一貫性には欠ける」
Android Enterprise Recommendedの対象となるデバイスは、Android 7.0(Nougat)以降を搭載していなければならず、最低限のハードウェア仕様準拠、エンタープライズモバイル管理(EMM)のためのゼロタッチ(自動設定機能)登録が利用できるなどの条件を満たす必要がある。Googleによると、2016年8月にリリースされたバージョン7.0以降のAndroidを搭載したデバイスが、全Androidデバイスに占める割合は、29.6%にとどまる。
もしもOEMがAndroidのセキュリティアップデートに追い付くことができなかったり、他の条件を満たすことができなかったりする場合は、GoogleがそのOEMやデバイスを、同プログラムから除外する。ここでいうOEMとは他社ブランド製品、または製造を担当する企業のことだ。
Androidセキュリティアップデートに対するIT部門の不安
OEMの数の多さと、Androidのセキュリティアップデートに対する多様なアプローチは、Androidが登場した当初から、企業における同OSの普及を阻んできた。
調査会社VDC Researchのモバイルソフトウェア担当ディレクター、エリック・クライン氏は次のように語る。
「企業へのAndroid導入は、セキュリティ不安があるために、ずっと課題とされてきた。ベンダー各社の対応もかなり改善され、EMM企業も対応策を強化しているが、まだ完全とはいえない状況にある」
デバイスによっては、リリースから1年半以内にアップデートが配信されなくなって脆弱(ぜいじゃく)性の悪用が可能な状態になり、セキュリティ対策を担うIT担当者を悩ませている。
一部のAndroidデバイス管理を行っているOathのカッツ氏は「何を信じたらいいのか教えてほしい」と問い掛ける。
OEM各社は、採用率の低さを理由に、業務専用デバイスの開発に二の足を踏んできた。そうしたデバイスが存在しない状況の中で、Android Enterprise Recommendedは、正しい方向に向けた第一歩だとクライン氏は評価する。
「エンタープライズ仕様の条件が具体的に定められているデバイスであれば、IT担当者の購入意欲は高まるだろう」と同氏は言い添えた。
Android Enterprise Recommendedのパートナー
Android Enterprise Recommendedのプログラムには、7社21機種のOEMのデバイスが含まれる。だがAndroid市場シェア首位のSamsungのデバイスはない。Samsungはこの数年で、複数のエンタープライズ向けセキュリティ機能や管理機能を追加してきた。この中にはセキュリティ機能の「Knox」や、一連の管理API、ハードウェアベースのセキュリティ機能などの他、IT部門がAndroidアップデートを管理するためのソフトウェア「E-FOTA」が含まれる。
Googleは発表の中で、Samsungと緊密に連携してAndroid Enterprise Recommendedの条件を定め、同プログラムを立ち上げる時点でSamsungの参加を促したと説明する。
「パートナーの発表はこれが第1陣であり、今後もさらに多くのOEMと連携する」とGoogleは述べている。
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