モバイルなど多様化する業務環境に対応
最適なアイデンティティー管理製品を選ぶポイントとは?
市場には、さまざまな機能を備えたIDとアクセス管理(IAM)の製品が多数出回っている。導入の最終決定を下す前に、自社にとって重要な機能に優先順位を付けよう。
アイデンティティー(ID)とアクセス管理(IAM)システムは、セキュリティのローカルポリシーに従って正しく実装すれば、IT部門のセキュリティ戦略の中心として機能する。IT担当者にとっては、自社に適切な認証基盤を選ぶことが重要となる。
大抵の認証基盤は、安全性が低いユーザー名とパスワードの組み合わせを利用する。これに対してIAMシステムは、より高度な制御が可能で、重要なセキュリティ要件であるアカウントとログの管理機能を実装している。IAMシステムは、共通の管理データベース、例えばディレクトリなどに格納された情報も使用できる。セキュリティ証明書、シングルサインオン(SSO)、多要素認証(MFA)、さらにはセキュリティ資格情報のフェデレーション(1回の認証で、許可された複数のサービスを利用できる仕組み)など、よく知られた機能を多数利用可能だ。
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IAMアクセス管理方法について
IAMシステムの仕組み
ベンダーがIAMシステムを開発したのは、どの企業でも基本的にモビリティーが重要になりつつあるころだった。ここでいうモビリティーとは、既存業務をモバイル環境に展開するのではなく、モバイル利用を前提とした業務プロセスを新たに構築、推進する動きのことだ。IAMシステムはモビリティーを意識し、モバイルの管理に注力し、進歩してきた。
昨今のほぼ全てのIT部門ではモビリティーが重要な要素になる。そのため、包括的なIAMシステムの基盤では、モバイル環境に対応する機能を備えていなくてはならない。例えば、時刻や曜日だけでなく、場所や、認証を受けたユーザーが特定の日時と場所で操作できる具体的なデバイスを指定できなくてはならない。あるユーザーは平日の就業時間内に特定の場所(ここでは自社か自宅)からのみ、認証を受けたデバイスを利用して、リソースにアクセスできるが、これらの条件が1つでも整わなければアクセスを拒否される、といった具合だ。
IAMシステムは、ユーザーの一人一人について、きめ細かい認証とアクセスを制御できる。複数のユーザーをグループで管理することも可能だ。例えば、物流部門のスタッフには、製造現場や出荷現場の特定のアプリケーションしか使えないようにし、幹部スタッフには、どこからでも必要なリソースにアクセスする許可を与えることもできる。同じ原理をゲストアクセスにも当てはめても構わない。ゲストも、あるグループのユーザーにすぎない。
オンプレミスでもクラウドでも、IAMシステムは全てのデバイス、ユーザー、アプリケーションに適用できる。IoTデバイスや人間が操作しないアプリケーションを含めることも可能だ。IT担当者は、IAMシステムをクラウドサービスとして実装し、信頼性、コスト管理、スケーラビリティ(拡張性)を向上することができる。クラウドでも、オンプレミスの基盤と同じセキュリティ要件が適用できる。
IAMシステムを選ぶ際の検討事項
IAMシステムは、ネットワークやWi-Fiシステムのベンダー(Cisco Systemsなど)から提供されるものと、サードパーティー(クラウド型ID管理基盤を提供するPing IdentityやOktaなど)から提供されるものがある。IAMシステムは、デバイス、コンテンツ、アプリケーション、ポリシー管理を含む包括的なエンタープライズモビリティー管理(EMM)基盤に統合されることが多い。例えば、スマートフォンの製造を担うBlackBerryのIAMシステムの製品は、同社のEMMポートフォリオに統合される。
適切なIAMシステムの選択は手間がかかることが多い。だが、次に示す幾つかのガイダンスに従えばこのプロセスが容易になる。
- 互換性の確保
- IAMソフトウェアが、自社のセキュリティポリシー、管理コンソール、ディレクトリサービスなどの要件に完全に準拠していることを確かめる。
- 試験導入からの規模を拡大
- 完全な運用環境への導入に進む前に、特定のIT環境で管理基盤の仕組みを理解する。そのため、初期導入では規模を限定することが重要になる。また、セキュリティ監査を継続的に実施し、セキュリティポリシーの目標が完全に維持されていることを確かめることも重要だ。
- 社内のサポートサービスの検証
- ポリシー、手続き、ツールの使用について、ヘルプデスクとサポートのスタッフを教育する。パスワードのぞき見などのソーシャルエンジニアリングやその他の攻撃に備えたトレーニングも重要だ。こうした攻撃は、高度なセキュリティを実現できるIAM製品であっても侵害されてしまう危険がある。
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