デバイスのMDM登録を自動化
iPhoneやiPadを大量導入する? Apple純正サービス「DEP」はどう役立つか
企業などがiPhone、iPadを大量導入する際にネックとなるのがモバイルデバイス管理(MDM)サービスへの登録だ。この作業を自動化するAppleの「Device Enrollment Program(DEP)」とは?
Appleの「Device Enrollment Program(DEP)」は新しい形のエンドポイントプロビジョニングの先駆けとなったプログラムだ。これにより、企業や教育機関がデバイスを登録して管理する作業がずっと簡単になった。
DEPを利用すると、企業や学校は従業員や生徒に支給する「iPhone」「iPad」「Mac」「Apple TV」をモバイルデバイス管理(MDM)サービスに自動的に登録でき、制限を掛けた状態で管理できる。
AppleのDEPは、手動で行っていた面倒なエンドポイント管理手続きを自動化して標準化する先駆けになった。今では各社が同様の機能を用意し始めている。
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Apple DEPについてもっと詳しく
モバイルデバイスの管理について
Apple DEPとはどのような機能か
AppleはDEPを2013年に発表し、2014年に提供開始した。DEPにはAppleの既存のデバイス管理機能が結集しており、「Over-The-Air」(無線接続)管理プロトコル、構成プロファイル、「Apple Configurator」デスクトップユーティリティーと監視モードが連携する。
DEPの最大の特徴は、デバイスの登録を自動化し、継続管理できるところだ。Appleのそれまでのデバイス管理ツールでは、エンドユーザーや管理者が幾つもの手順を踏んでデバイスを登録しなければならず、監視モードを利用するにはUSB接続も必要だった。また、エンドユーザーがプロファイルやMDMを削除または消去するだけで、いつでも簡単にデバイスを管理システムから外せるというセキュリティ上の問題もあった。2013年にはロサンゼルス統一学区の生徒たちが学校のデバイスを“ハッキング”して使用制限を解除し、世間の注目を集めたが、AppleのDEPでデバイスを管理すれば、そのような事態は起こり得ない。
DEPでデバイスを登録する流れは一般に次のようになる。まず、企業や学校は使用するMDMサーバの情報をAppleに登録しておく。Appleまたは認定販売店から新しいデバイスを購入すると、DEPがデバイスにフラグを設定する。ユーザーがデバイスの電源を入れ、通常の初期設定処理としてAppleにチェックインすると、DEPがその企業や学校のMDMサーバにデバイスを関連付け、自動的に登録する。誰かがデバイスの設定を消去したとしても、同じ自動登録処理が繰り返される。使わなくなったデバイスは、IT担当者がDEPから解除すれば、売却したりリサイクルに回したりできる。
DEPの他にサードパーティーのMDMサービスも必要だが、AppleのDEP自体は無料で利用できる。また、2017年からは、購入したもの以外のデバイス(学校に寄付されたデバイスなど)もDEPに追加できるようにした。ただし、その場合はApple Configuratorを使って登録する必要があり、30日間の暫定期間が適用される。
DEPと監視モードの提供で、ビジネス用途は大きく拡大した。監視モードでは、企業や学校が従業員や生徒に支給する「iOS」と「tvOS」にさまざまな制限やロックを設定できる。シングルAppモード、アプリのサイレントインストール、OSアップデート管理、アイコンや壁紙の管理など、デバイスを私用に使えなくする多数の機能を用意している。
DEPと監視モードの提供により、iOSデバイスのビジネス利用は広がり、セキュリティを重視する業種や小売業界、現場作業、教育、医療などの分野で使われるようになった。
デバイスプロビジョニング革命
企業のIT部門にデバイス管理という新しい概念が浸透したきっかけは、私物端末の業務利用(BYOD)の増加だった。今では、あらゆるタイプのデバイスや用途において、AppleのDEPのような新しい管理機能が重要になっている。
Apple以外のベンダーも同様の自動プロビジョニングプログラムを提供し始めた。例えば、Samsung Electronicsの「Knox Mobile Enrollment」やGoogleの「Android」用「ゼロタッチ登録」だ。Microsoftも「Windows AutoPilot」という機能を提供している。従来のイメージ展開方法によるWindows PCのプロビジョニングは複雑で時間がかかるため、AutoPilotはエンドポイント管理に多大な効果をもたらす可能性がある。ただ、企業のPC管理戦略全体を変える必要があり、AutoPilotが浸透するまでには何年かかかるだろう。それでもこれを導入すれば、プロビジョニングプロセスにかかる時間を大幅に短縮でき、デバイスをエンドユーザーに直接配送することも可能になる。
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