進むカスタマーサポートのAI利用
会話型AIで変わる医療現場のコミュニケーション、その進化とは
医療機関では、検査結果や予約のリマインダー、処方された薬やその服用方法などの情報に24時間365日体制で自動応答するAIメッセージングサービスの提供が進んでいる。
医療システムを利用する患者は、自分の医療記録の閲覧や、治療担当チームとのコミュニケーションに当たって、デジタル的な手段を活用できることがある。医療機関が患者のエンゲージメントを向上させ、治療に能動的に参加してもらうための試みとして、デジタル活用は進められている。病院や診療所は、患者が医療従事者とコミュニケーションを取る際に、WebポータルやSMS、モバイルアプリ、キオスク端末などのデジタルツールを活用するよう訴えてきた。それらの方法の多くは期待できる結果を示しているが、依然としてテキストメッセージは患者がコミュニケーション手段として最もよく使う手段の一つだ。そのような状況で、次世代のAIメッセージング技術は患者や医療にどのような影響を及ぼすのだろうか?
AIで変わる医療現場のコミュニケーション
モバイルデバイスが利用されるようになり、テキストメッセージは他者とコミュニケーションを取る際に使用する一般的な手段となってきた。多くの患者は、予約や投薬に関するリマインダーなどの通知を受信するといった、テキストメッセージの医療向け用途を既に知っている。テキストメッセージは、医療従事者が患者とコミュニケーションを取るためにも使われている。QliqSOFTやTigerConnectなどが提供するツールはHIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に準拠しており、医師同士または医師と患者が互いに安心してコミュニケーションを取ることを可能にする。
患者を治療や医療チームと関わらせようとする動きは加速しているが、テキストメッセージだけではコミュニケーションにおける効果がほとんど得られない。なぜならテキストメッセージの利用は基本的なコミュニケーションの場面での利用に限定され、複雑な問い合わせは臨床スタッフや管理スタッフが管理し、対応する必要があるからだ。その結果患者の多くがWebポータルを利用したり、あるいは自分が求めている情報について問い合わせるためだけに医院に電話したりする。しかしAIを利用したカスタマーサービスコミュニケーションやメッセージングシステムを導入すると、医療機関は患者のエンゲージメントや情報提供のニーズに対する最終的な答えを得られるかもしれない。
高度なAIメッセージング技術を使用すれば、送られた複雑なリクエストや問い合わせの内容を理解して適切に返答するbotやソフトウェアとやりとりすることができる。そのため患者がテキストメッセージからその他のコミュニケーション手段へと移行する必要を少なくする。「msg.ai」のような会話型AIプラットフォームや、GoogleやMicrosoft、Amazonなどが提供するサービスを利用すると、スケジュール調整や支払い、臨床システムとのやりとりさえも行うことができる。AIメッセージングを使用すれば、以下の全ての領域で患者のテキストによる問い合わせに答えることができる。
- 最近の検査結果
- 処方された薬剤や服用方法
- 予約のスケジュール調整と再調整
- 患者教育
- 開院時間、病院への行き方、連絡先情報
- 症状と基本的な医療面のアドバイス
AIメッセージングを使用すれば、患者への情報提供が24時間365日可能になる。また患者は抵抗を感じることなく、慣れ親しんだコミュニケーション手段を用いることができる。病院は他の業界に追随して、仮想的なカスタマーサービス担当からテキストメッセージを送信し、必要な時に有人サポートへ誘導するというサービスの自動化機能を活用する動きに乗ることになるだろう。2020年までにカスタマーサービス運用の25%で仮想顧客アシスタントが使用されるようになると、Gartnerは2018年初めに予測した。医療業界では、仮想顧客アシスタントの利用によって、患者の満足度に加えて患者のエンゲージメントにも影響が及びそうだ。
病院は患者の満足度やエンゲージメントが向上することを期待している。AIメッセージングを利用すれば、関連した情報を患者に簡単に提供できるようになるだろう。テキストメッセージをコミュニケーション手段として使用すれば、患者はずっと簡単に医療情報へ問い合わせできるようになり、最終的にはAIメッセージングとの言葉のやりとりにも抵抗なく移行していけるかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー