X-RayとCloudWatchだけでは不足する場合も
導入経験者が語る「新しいサーバレス監視ツール」の魅力と弱点とは(2/2 ページ)
全ての依存関係を対応付けできない問題
X-RayもIOpipeも、現状ではサーバレス関数とその全ての依存関係を完全に対応付けることができない。Amazonの場合、X-Rayでは、まだAPI Gatewayや同社の「Amazon DynamoDB」の呼び出しまでは継続して追跡していない。またサードパーティーサービスの追跡もサポートしない。
消費者向けロボットメーカーiRobotでクラウドロボティクス関連リサーチサイエンティストを務めるベン・ケホー氏は次のように話す。
「X-Rayの問題は、特定のサービスでしか機能せず、追跡が及ばない領域が必ずあることだ。X-Rayがこの問題に対処し、AWSの分散編成全体と連動するには長い時間を要するだろう」
こうした制限を受けて、相関関係のあるIDタグを各関数に追加し、個別のツールを使用してタグを収集するという具合に、最初から自力で行う方式に戻したユーザーもいる。これは、Yublのツイ氏のチームが以前担当していた役割だった。
「Lambdaで使用するイベントソースの数が増え始めると、トレーサビリティー(追跡可能性)が不足するため、問題のデバッグが徐々に難しくなる」(ツイ氏)
サーバレス監視と可観測性の追求
ThundraやEpsagonなどのスタートアップ企業で開発が進んでいる最新のサーバレス監視ツールは、クラウドやサードパーティーサービスにおけるサーバレスインフラの依存関係をしっかりと把握することで、インフラにおける可観測性のギャップを埋めようとしている。
Epsagonは機械学習とAIの技法を使い、サーバレスインフラの全てのパーツと、それらのパーツがどのように連携しているかを自動的に検出する。このツールはβ版で、デモの使い心地からは期待が持てるとツイ氏は話す。
「Epsagonは、多くのベンダーと異なり、複数のシステムと関数全体のトレーサビリティーの提供を重視している」(ツイ氏)
サーバレスと互換性がある可観測性ツールは、サーバレスアプリに重点的に取り組んではいない新興ベンダーからも提供されている。Matsonのタウンゼント氏はHoneycomb.ioのツールを評価し始めたという。Honeycomb.ioは、複雑なWebスケールシステムでのトレーサビリティーの問題に直面したFacebookの元エンジニアが立ち上げた企業だ。同社の「Honeycomb」には、IOpipeと同様、バックエンドデータに対して高度なクエリを実行する機能がある。Honeycombは、複雑な質問に素早く応答するよう最適化されたデータベースに、バックエンドデータを保存する。
タウンゼント氏はHoneycombに対する関心を次のように話している。「ツールの実際の目的はシステムについての質問を問い掛けることだ。これは常時使えるようにしておきたいツールだ」
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