ストレージにあるデータが企業の宝
企業エッジでのIoTデータ用ストレージの管理(2/3 ページ)
全てのデータを移動することに伴う問題
最もデータが充実したIoT/IIoTアプリケーションでも、データ移動が物理的なプロセスなのは変わらないとシュルツ氏は述べる。
「国外でデータの掘り下げるために生成されるデータ量を考えてほしい。これらの企業はP(ペタ)B単位とまではいかなくても、TB単位のデータは間違いなくエッジで収集している。そうしたデータの一部は現地で処理できる。だが、一部は物理的にデータセンターに配送する必要がある。以前のアプローチはテープだった。または、ディスクに取り込んでそれを輸送サービスの運送会社FedExに渡していた」と同氏は語る。
だが、今はAmazon Web Service(AWS)の「AWS Snowball」のような代替手段がある。
AWS Snowballはトラックに積み込んだストレージにデータを移し、物理的に膨大なデータを運ぶ仕組みのことだ。これはクラウドベンダーが初めて提供したストレージ製品の1つだ。
加えて、一部のIoT導入には大容量の内蔵ストレージを備えたデバイスが含まれている。特に、エッジサーバやサーバのクラスタには搭載されている。小容量のストレージを組み込んだIoTデバイスもある。デバイスや企業エッジで追加ストレージを提供するためにSDカードを利用している企業も存在する。
データ移動やIoTアプリケーション用データストレージの必要性だけではなく、それが標準的なファイル共有システム「NFS」型データばかりでないということも認識しなければならない。IIoTに関しては特にこの点が当てはまり、多様なストレージのニーズが生じる傾向にある。iSCSI(Internet Small Computer System Interface)を求めるものもあれば、POSIX(Portable Operating System Interface)のファイルシステムを必要とするものまであるとシュルツ氏は話す。
だが、潜在的なデータ量にこだわるべきではないとバーノン・ターナー氏は述べる。同氏は市場調査会社Causeway Connectionsで社長兼チーフストラテジストを務める。
「実際、分析関連では誰もがIoTデータとストレージは同じものだと考えている」と同氏はいう。IoTが生み出すデータには価値があり、IoTデータのストレージは重要だ。それでも「IoTビジネス部門が望んでいるのは一元化されたデータ格納場所(データレイク)の構築ではない。分離されたデータレイクを必要としているわけではないことは確かだ」と同氏は述べる。
企業が求めているのはオープンデータ基盤だ。それも、多様なデータソースを取り込み、データの形式を設定することで状況に応じた判断を後押しする基盤だ。これが絶好のチャンスのように思えるだろうか。ターナー氏はそうだと考えているが、従来のストレージ企業が参入することはないだろう。
必要な分析の実行
デバイスをネットワークに接続することは一般的に素晴らしいことだと見なされている。また、これまで取得できなかった対象や資産に関するデータを利用できるようになることで、新しい各種サービスの機会が全員に開かれているとターナー氏は語る。各社がそのシェアの一部を獲得しようとする可能性がある。これには、通信事業者、サービスベンダー、ネットワークベンダー、クラウドベンダー、データ管理ソフトウェア企業、そしてもちろんストレージハードウェアベンダーも含まれる。だが、実際に各ベンダーがシェア獲得に動き出すかどうかは別問題だ。
ターナー氏によると、例えば、大量のデータを移動することに慣れているデータ通信事業者は、回線事業からの脱却は難しいと感じる可能性があるという。
「データ通信事業者は、5G対応アプリのようなものから得られるデータソースが救世主になると考える」と同氏はいう。
さらに、従来のストレージハードウェアベンダーは「エッジとコアの中間で動く分析機能」を提供する準備ができない可能性がある。こうしたベンダーは筐体の販売に重点を置くためだ。
IDCでクラウドデータ管理および保護部門のリサーチディレクターを務めるフィル・グッドウィン氏は次のように語る。「IoT、IoTデータのストレージ、企業エッジでのコンピューティングに関する課題は最終的には解決されるだろう。ソフトウェア定義の環境がその鍵となる。この環境では、どの企業もそれほど新しいものを生み出す必要がない。特定のストレージアレイ、デバイス、アプリケーションを用意するのではない。むしろ、そうした要素のソフトウェア定義がもっと進み、物理インフラはその下に隠されるだろう」(グッドウィン氏)
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