Azure、AWS、Googleの三つどもえ
クラウド“三国志”、Microsoft AzureはAIとIoTに賭ける(2/2 ページ)
IoTやAI関連で差異化
Ignite 2018では特筆すべき製品のデビューやアップデートが豊富にあった。新製品の主役は、クラウド、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)関連だ。こうした新たな技術を打ち出すことは、AWSやGoogleとシェアを争うクラウド市場の中で、Microsoftが抜きん出る助けになる。
ハイブリッドクラウドの構築を手掛けるUnitas Globalのグラント・カークウッド氏によると、今回のMicrosoftの発表は、AWSとGoogleを含む3大クラウドベンダーの中で、差異化を図ろうとする戦いの一環だ。
オンデマンドかつ拡張性の高いコンピューティング/ストレージリソースの提供は、今や「必須と見なされている」とカークウッド氏は指摘。そこでさまざまなクラウドベンダーは「勝てる」と考える用途に賭け、各社独自の機能を提供していると、同氏は説明する。
MicrosoftがIgnite 2018でパブリックプレビューを披露した「Azure Digital Twins」は、「人と場所、デバイス間の関係をモデリングした物理環境を、仮想的に再現する」サービスだと同社は説明する。Azure Digital Twinsは、同社のIoT関連製品/サービス群の一つという位置付けだ。
カークウッド氏はAzure Digital Twinsについて「MicrosoftがIoTで大きな賭けに出たことが、これではっきりした」と解説する。同氏によるとMicrosoftは、データ処理や分析、モデリングなど、IoTを中心としたサービスのエコシステムを構築している。
Azure Machine Learningの自動化が進む
AI分野でMicrosoftは、AI技術開発におけるデータ変換、モデル選定、ハイパーパラメーター(機械学習プロセスそのものを管理するパラメーター)調整を自動化する機械学習機能を開発した。同社は機械学習サービス「Azure Machine Learning」にこの機能を実装する計画だ。同社のブログによると、その目標は、Azure Machine Learningを「データを基にした予測モデルの構築やトレーニングをしたい人であれば、誰でも利用できる」サービスにすることにある。
カークウッド氏は、「IoTデバイスなどのデータソースがもたらす大量のデータストリームによる、膨大な量の非構造化データの処理と分析ができる機能を、あらゆる相手に提供する」という点で、Azure Machine LearningはAzure Digital Twinsに似ていると指摘する。
企業側から見れば、機械学習がサービスとして提供されることで、「機械学習はデータサイエンティストの領域を離れ、データサイエンティスト以外の従業員にも利用できる技術になる」と、カークウッド氏は説明する。「組織はクラウド内のAI機能について、大いに検証や検討をしている」と同氏は言い添える。
ほとんどの企業は、現状ではAI技術を本格的に採用できる態勢にない。「Microsoftなど先端のAIベンダーは、製品/サービス開発に関してユーザー企業よりもはるかに先を行っている」とカプラン氏は指摘。ユーザー企業がこうした製品/サービスを導入してフル活用することは「まだできていない」と語る。
これは新しい現象ではない。「過去50年にわたってベンダーは、顧客の導入準備が整っていない新たな製品/サービスを導入してきた」とカプラン氏は説明する。この理由は「ユーザー企業が潜在的可能性を十分理解していなかったり、組織の障壁に突き当たったりして、採用プロセスが遅れたことによる」と同氏は話す。
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