評判と価格だけで選んではいけない
AWS、Google クラウドストレージサービスの特徴は?
ストレージとバックアップのクラウドサービスは評判だけで選んではいけない。本記事では、大手クラウドストレージベンダーが提供する機能のうち比較すべき機能について考察する。
バックアップとストレージをクラウドに切り替えることは大きな決断だ。企業の最重要データ、アプリケーション、システムを、自社の要件を満たすクラウド環境に移すことになる。保有データのバックアップをホストするクラウドストレージを決める際は、速度、可用性、コスト、冗長性など、全てが検討要素になる。
業界の大手ベンダーは、クラウドストレージ市場を支配し、クラウドバックアップを容易にする強力なサービスを提供している。だが、1社を選ぶとしたら、どうすればよいのだろう。
クラウドストレージサービスにはそれぞれ少しずつ違いがある。しかし、そのよう細かい違いは、恐らく特定のサービスを選ぶ材料としては不十分だ。とはいえ、各ベンダーにはそれぞれ大きなメリットが幾つかある。
各クラウドサービスの特徴
以下では、各社クラウドストレージサービスの特徴を述べる。
- Amazonが用意しているストレージ管理機能は非常に強力だ。ポリシーベースのデータの自動移行を希望する場合、Amazon Web Services(AWS)のクラウドストレージサービス「Amazon Simple Storage Service(S3)」が気に入るだろう。
- Googleは最も安定したTTFB(Time To First Byte、最初の1バイトが到着するまでにかかる時間)を持ち、その時間はミリ秒単位である。同社が提供するストレージクラスの中で最もアクセス頻度が低いデータへの使用が推奨されている「Coldline Storage」からの復旧であっても、ほぼ即座に開始される。他の2社では、同じような用途のコールドストレージからの復旧開始までに数時間かかる。
- クラウドストレージの一環として冗長性オプションに関心があるなら、AWSがお薦めだ。同社は他社と競合する高性能オプションだけなく、「S3 One Zone-Infrequent Access」というストレージタイプや、「Reduced Redundancy Storage」という低冗長性オプションなど、機能を減らした低コストの選択肢も用意している。
概して、競合企業はそれぞれ非常に似通っている。では、クラウド戦略を立てるに当たり、自社に適したバックアップとストレージのクラウドサービスをどのように選択すればよいだろうか。
クラウド選定における検討事項
クラウドを選択する際に役立つ上記以外の検討事項を幾つか紹介する。
格納、保管、取得の価格
各ベンダーの価格設定を詳しく調べる。無料で無制限にアップロードできるという理由だけで選んではいけない。復旧にかかる費用も把握する必要がある。大手ベンダーはいずれも価格表を用意している。AWSは、複雑ながらも素晴らしい料金計算ツールを提供している。「使用するかもしれない」程度のストレージも含め、全バックアップ計画にまつわるコストを明確に把握する必要があるため、利用可能な価格データは全て活用する。
その他のサービス
ストレージサービス以外の提供サービスも検討する。中にはバックアップや復旧時間に役に立つサービスがある場合もある。例えば、各社とも仮想マシン(VM)のホスティングを提供している。VMのホスティングが担う2つの役割が復旧の選択肢になる場合がある。その2つとは、まず、データをローカルネットワーク経由で移動する必要がないため、復旧時間を短縮できる。次に、ベンダーのクラウドで稼働するVM内では、データ転送料がかからない。
大手以外のクラウドを検討する
企業に利用してもらおうと努力しているクラウドサービスベンダーは他にも多数存在する。こうした企業の大半はバックアップソフトウェア、専門家による計画と実行、復旧支援、さらには「細やかな」回復などの付加サービスを用意している。
バックアップとストレージをクラウドに切り替えることを検討する際は、評判だけでベンダーを選ばないことが大切だ。料金と提供サービスに影響を与えるオプションはたくさんある。そのため、時間を取って入念に下調べを行い、自社のビジネス要件と予算に最も合ったサービスを見つけるようにしたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[日本オラクル株式会社] ピンチをチャンスに変えたEPR製品は? 先行企業の導入事例3選 -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] 無自覚なリスク 秘伝Excelファイルが監査の壁、不正・ミスの温床となる理由 -
製品資料
[日本オラクル株式会社] 戦略的経理の第一歩 失敗のない「脱Excel」を実現する秘訣とは? -
技術文書・技術解説
[日本オラクル株式会社] いまさら聞けないオンプレERPとクラウドERPの違い 最適な製品をどう見極める? -
事例
[株式会社ビザスク] 連結売上高が約2倍に成長、富士フイルムが実践した新規事業創出の戦略とは?
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
2
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
3
「ノートPC派」は損をしている? Dellと考える“自作PC”のメリット
-
4
エンジニアの生産性はどう測る? マネジメントに不可欠な可視化の実現方法とは
-
5
慶應義塾が「Notion」を選んだ理由 AI導入の盲点になる“情報のサイロ化”
-
6
ただなのに「12時間以内の復旧」も要求 無償OSSに商用レベルを求める企業の末路
-
7
「IoT通信環境の構築・運用」に関するアンケート
-
8
生データを隠してデータ連携 KDDIが4000万人の顧客情報を安全に分析できた理由
-
9
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
10
大阪証券取引所がHiRDBで実現した「世界トップレベルの応答速度」を誇る新売買システム
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
2
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
3
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
4
バックアップは“取っているから大丈夫”なのか? ランサムウェア時代の備え方
-
5
システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
-
6
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
7
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
8
5分で分かる Microsoft 365のデータ損失に備えるためのバックアップの仕組み
-
9
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
10
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー