「サービスとしてのAI」を提供するクラウドベンダー4社
徹底比較:AIに本気なAWS、Azure、Google、IBM 各社の違いとは?(1/2 ページ)
AI(人工知能)への関心が高まる中、今後、多くのITプロフェッショナルがクラウドでAIを試すだろう。だがAWSやAzureなど次々と登場するAIサービスの中から選択するのは容易ではなさそうだ。
AI(人工知能)はもはやSF映画の話ではない。だが多くの企業のIT部門にとって、この技術はまだ縁遠い存在だ。とはいえAI(人工知能)の普及に向けたトレンドの中ではっきりしていることが1つある。それは企業のAIワークロードのほとんどがパブリッククラウドを利用する形になることだ。
「企業のデータセンターでAIが運用される可能性がないとはいえないが、AIワークロードのほとんどはクラウド上で処理されることになるだろう」と話すのは、米調査会社Forrester Researchの主席アナリスト、ロブ・コプロウィッツ氏だ。
Aragon Researchの主席アナリスト、エイドリアン・ボウルズ氏も同意見だ。「機密性の高い顧客データを扱うAIアプリケーションについては、セキュリティやコンプライアンスの要件が厳しいワークロードと同様に社内で運用するという企業もあるかもしれない。だが全般的に見れば、パブリッククラウド型AIサービスが主要なモデルになるだろう」と同氏は語る。
ボウルズ氏によると、AIにはクラウドが非常に適しているとされる最大の理由の1つが実験の必要性だという。ほとんどの企業では、機械学習や予測分析、自然言語処理などの技術の潜在的用途についてまだ手探りの段階であるため、多額の投資や大きなリスクを伴わずに実験できる環境を求めているのだ。
「現在、AI用にパブリッククラウドを使っている企業のかなりの割合が、パブリッククラウドを試験台として利用している。手軽に試すことができ、さまざまな形態のAIとの親和性が高いアプリケーションはどれかを見極めるための安価な手段としてパブリッククラウドを位置付けているのだ」とボウルズ氏は説明する。
企業は「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」(Azure)などのパブリッククラウドプラットフォームを利用すれば、例えば自社のデータで何が可能になるのかを調べるために各種の機械学習アルゴリズムをテストできる。その上で、使い物になるかどうかを判断すればいい。
「検討したAIアプリケーションが使い物にならないと分かれば、次の候補を試せばよいのだ。使い物になるのであれば、すぐに本格配備ができる。クラウドならこうした実験が自由に行える」とボウルズ氏は話す。
実験用としてだけでなく、広範なリソースが利用可能だという理由でAIの配備にパブリッククラウドを選ぶ企業も少なくない。
コンサルティングと技術サービスを手掛けるAccentureでAIの活用を担当するグローバル責任者のニコラ・モリーニビアンジーノ氏は「クラウドであれば、自然言語処理などの技術も気軽に試すことができる。それから一部のデータをクラウドに移動し、他に何ができるかどうか判断すればよい。後は、これらのAPIをインフラ上に展開し、作成済みのデータに適用するだけだ」と語る。
また、パブリッククラウドを利用すれば、多くのAIワークロードで必要とされる高価な専用ハードウェアに投資しなくても済む。コプロウィッツ氏によると、現在、大手パブリッククラウドプロバイダーの多くは、GPU(Graphics Processing Unit)をベースとするクラウドインスタンスを提供しているという。GPUは演算処理を多用するAIワークロードに威力を発揮するからだ。
パブリッククラウド上のAIを巡る課題
もちろん、AIに限らずどんな新技術でも、企業で利用できるようになるまでには苦労が伴う。「IT部門がAIの導入に際して自社のクラウドインフラを全面的に見直す必要はないだろうが、データ中心主義的な考え方を受け入れるにはスキルセットを進化させなければならない」とモリーニビアンジーノ氏は指摘する。
IT部門がAIの導入を成功させるには、データ分析スキルを磨くとともに、巨大なエンタープライズデータセットの中に存在する特定のパターンや関係を認識できるようにしなければならない。AIの価値の源泉はAIに入力されるデータにあるからだ。
「機械学習アルゴリズムの価値は、アルゴリズムを通じて入力するデータの価値に正比例する。データが良くなければ、アルゴリズムも良くならないということだ」とモリーニビアンジーノ氏は語る。
ボウルズ氏は「IT部門が機械学習を導入する上で重要性を増すのがデータ分析スキルだ」と話す。その理由の1つに、機械学習の場合、ITシステムは再プログラミングをすることよりも、データを与えることによってパフォーマンスが次第に向上することがある。
加えて、インフラ管理チームは開発者との間にある障壁を取り除く努力をしなければならない。PA Consultingの医療IT部門で主席コンサルタントを務めるローリ・ブラウン氏によると、管理者がAIアプリケーションの開発方法と利用方法の理解を深めるのに伴い、インフラの観点から賢明な選択を行えるようになるという。
「AIの開発がもたらす変化、そしてそれが自社のインフラとIT利用に与える影響をIT部門が理解すれば、AIを運用するためのパブリッククラウドサービスの選択で賢明な判断ができる」とブラウン氏は話す。
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