「Windows Virtual Desktop」も選択肢に
Windows 10導入比較:DaaS、クラウド管理、オンプレミスで最適なのは?
企業が「Windows 10」デスクトップを展開して管理する際、どのような方式を選ぶといいのだろうか。DaaS(Desktop as a Service)、クラウドツール、オンプレミス管理から最適な方式を探る。
「Windows 10」デスクトップの展開と管理の方式は幾つかあるが、そのどれが最善であるかは意見が分かれる。
Citrix SystemsのユーザーコミュニティーであるCitrix User Group Communityが2018年10月に開催したWebセミナー「Three Experts Duke it out for the Best Way to Deploy Windows」(3人のエキスパートがWindowsを展開する最良の方法)では、3人の専門家がWindows 10デスクトップの展開方式について意見を戦わせた。
情報メディアである24x7 IT Connectionの創業者、テレサ・ミラー氏はWindows 10デスクトップをDaaS(Desktop as a Service)モデルで展開することを推奨した。オーストラリアのITサービス企業Insentraのソリューションアーキテクト、アーロン・パーカー氏はクラウドで管理することを提唱した。ITサービス企業ThinClient Computingのプレジデント兼主席アーキテクトのスティーブ・グリーンバーグ氏は、従来の管理ツールでオンプレミスのWindows 10デスクトップを管理する利点を説いた。
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Windows 10と仮想化はセットで考えるべきか
DaaSを利用する場合
従来のVDI(仮想デスクトップインフラ)を利用する場合、インフラやセキュリティの管理は自分たちでしなければならない。
今後はますますクラウド化が進むという見方が多いことを考えれば、企業がWindows 10デスクトップにDaaSの採用を検討し始めるのも当然の流れだろう。Microsoftの「Windows Virtual Desktop」などDaaSの選択肢は増えてきている。
DaaSを利用すれば、エンドユーザーはどこからでも、どのデバイスからもWindows 10デスクトップにアクセスでき、職場でも自宅でも同じように使うことができる。オンプレミスではなくベンダーのデータセンターに業務環境があるため、災害時にも作業を続けられる。
「使うデバイスを問わず、いつでも自分のデスクトップにアクセスできる。ハリケーンや火災に見舞われても、クラウドに業務環境があればビジネスを継続できる。従業員を取り巻く状況に関係なく、仕事に必要な環境を維持できる」とミラー氏はWebセミナーで説明した。
インフラやセキュリティの管理も任せることができ、社内のIT管理者はより重要な作業に専念できるという。
「習得期間が必要だとしても、夜間や週末に駆り出されないメリットは大きい」とミラー氏は語った。
クラウドサービスで管理する場合
DaaSを利用する準備はまだできていないという場合は「Microsoft Intune」や「Citrix Cloud」などのクラウドツールでWindows 10デスクトップを管理できる。
パーカー氏はこのようなクラウドツールの主な利点として、IT管理者がエンドユーザーのデバイスを遠隔で初期設定できることを挙げた。購入したデバイスをエンドユーザーに直接配送すれば、エンドユーザーは受け取ったデバイスを自分で初期設定できる。
「エンドユーザーがPCの電源を入れると、電子メールアドレスやユーザー名が割り当てられる。ユーザーはパスワードを入力するだけでいい」とパーカー氏は説明した。
アプリの配布も簡単だ。「Microsoft Store for Business」などのアプリストア経由で配布すれば、エンドユーザーはそこからアプリをダウンロードできる。ユーザーのデスクトップが実行中なら、IT担当者はデバイスを直接操作することなく、クラウドツールを使って更新プログラムも適用できる。デバイスがどこにあっても、社内ネットワークに接続していなくても、こうした管理は可能だ。
この方法なら、IT管理者はデバイスよりエンドユーザーに注力できる。従業員が無認可のデバイスを使っていないかを心配したり、デバイスの種類を限定したりする必要がなくなり、支給するデバイスの使用者の本人確認をすればいい。
全てをオンプレミスで管理する場合
クラウドはいいことばかりに見えるが、実際にWindows 10デスクトップやその管理をクラウドに移すとなると、それほど簡単にはいかない。パブリッククラウドのアーキテクチャはカスタマイズが必要であり、機能はベンダーごとに異なるとグリーンバーグ氏は指摘する。
「真っさらなデータセンターを渡されるようなものだ。ネットワークもセキュリティも設定しなければならない。実際に展開する前にさまざまな関連事項を検討して構成する必要がある」(グリーンバーグ氏)
また期待通りのコスト節約になるとは限らない。
Windows 10デスクトップをオンプレミスに維持すれば、データもアプリもユーザーも同じところにあるため、最適なパフォーマンスを実現できる。独自のコードやデータベースに基づく基幹業務アプリを使っている企業では、そうした古いアプリの仕様を知る人が社内にいなくなっていることが多い。そのようなアプリとデータを切り離してしまうと問題が発生する可能性がある。
Windows 10デスクトップとその管理をオンプレミスに維持すれば、企業は自分たちで全てを管理できる。
「ネットワークのチェックやデバッグもできるし、自由にCPUを追加でき、必要なときに必要なだけ新しいサーバを買い足すこともできる」とグリーンバーグ氏は語った。
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