データセンターが“地味”なままではいけない理由
データセンターが「何をする場所か分からない」ことがもたらす弊害
データセンターはシステムを実行するためには不可欠なインフラだが、一般消費者はその実態を理解していない可能性がある。世間でのデータセンターの認知度が低いと、どのような不都合があるのか。
英国政府はデータセンター市場の重要性について繰り返し発信を続けている。しかし一般消費者の間では、サーバやデータセンターが日常生活で果たす重要な役割についての認識が依然として広がっていないことが、調査で明らかになった。
コロケーション事業者のTelehouseが英国の消費者2000人を対象に実施した、データセンターに関する認知度調査では、回答者の67%が「データセンター」とは何か、またはその機能について分からないと回答した。
データセンターの認知度が低いことによるリスクとは
Telehouseは「これは日常生活のデジタル活用を支える、データセンターの重要な役割に関する消費者の認識が著しく不足していることを示している」と指摘する。
回答者の48%は、動画ストリーミングやオンラインショッピングなど、家庭や職場で利用するデジタルサービスにデータセンターがプラスに影響していると考えている。しかし回答者の43%は、英国にあるデータセンターが支えるユーザーやアプリケーション、データの規模について把握しておらず、依然としてデータセンターの十分な周知がなされていないことが明らかになった。
データセンターに対する消費者の理解が進まない要因の一つとして、セキュリティ対策のためにデータセンター事業者が施設の所在地を秘密裏に管理してきた経緯がある。この秘匿性によって、顧客データや個人情報はサイバー攻撃から守られている。
消費者がデータセンターへの理解を深める機会がなかったことは、組織がIT人材の採用や定年退職者の補充に苦心する理由の一つになっている可能性がある。政策や法律を整備する時に、IT分野のニーズや要望が十分に考慮されにくくなる要因にもなり得る。
この状況は、2020~2025年にかけて徐々に改善されている。英国政府は、データセンター市場の地位向上に向けた取り組みを進めている。2020年のコロナウイルス感染症(COVID-19)拡大時には、政府がデータセンターの従業員を、保育や福祉サービスが優先的に受けられる重要労働者(Critical workers)として認定した。2024年7月に労働党が政権を獲得すると、政府は新規システムの開発やシステム運用のハードルを下げることを約束し、データセンターを重要国家インフラ(Critical National Infrastructure:CNI)として再分類した。
それでもTelehouseの調査は、IT分野の発展を支えるデータセンターの重要な役割について、依然として消費者が理解を深める必要性があることを示している。
こうした状況を受け、Telehouseは英国の消費者がデータセンター業界の役割や日常生活におけるデータセンターの重要性について理解を深められるよう、教育活動を進めている。さらに大学などの教育機関で、データセンター技術に焦点を当てた教育プログラムを拡充することを提唱している。
Telehouseのヨーロッパ法人であるTelehouse Europeで、エグゼクティブ・バイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるマーク・ペストリッジ氏は次のように話す。「データセンターがデジタル活用で果たす役割が、消費者に十分に周知されていないことを認識している。データセンターで実行されている重要な業務について、人々が理解を深め、若者がこの分野で働くことを検討するように促したいと考えている」
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