信用格付け会社S&P Global Ratingsが発表したレポートによると、2025年の世界のIT支出は前年比9%増と明るい見通しだ。しかし不安要素もあるという。それは何か。
2025年、世界のIT支出は前年比で9%の成長が見込まれ、世界のGDP成長率予測3%を上回る見通しだ。信用格付け会社S&P Global Ratingsが2025年1月に公開したレポート「Solid IT Demand Bodes Well For Technology Credits In 2025」で明らかにした。
一方、S&P Global Ratingsは世界のIT支出における不安要素を指摘する。IT支出の成長をけん引する要因と不安要素はそれぞれ何なのか。
レポートによると、IT支出の成長は人工知能(AI)技術とクラウドサービスに起因する。AIインフラへの投資を主導する大手クラウドサービスベンダーは、2025年も前年比で20%を超える収益成長を見込む。この成長は、企業のクラウドサービスへの移行の継続とAI技術の進化に後押しされている。
S&P Global Ratingsは「AI技術とクラウドサービスの需要は底堅く、業界のさまざまな分野の成長をけん引している」と説明する。
レポートによると、ビジネスアプリケーションやワークフローとAI技術の連携が進み、ソフトウェア分野の支出は、2025年には前年比で10%の成長が見込まれる。
ハードウェア分野の支出も増加する見通しだ。近年は比較的低調な状況が続いていたが、ハイパースケーラー(大規模データセンターを運営する事業者)による投資拡大や企業の支出増大の影響で、サーバの出荷量は前年比で4%の成長が見込まれている。
2024年は下降気味だったネットワーク機器への支出も、2025年には前年比7%の成長が予測される。AI技術の取り組みを推進するために、堅牢(けんろう)で安全なネットワークインフラの需要が増えたためだ。
レポートは、主要プレーヤーである中国の動きについて言及している。中国は世界のIT支出の約10%を占め、ハードウェアや半導体のサプライチェーンにおいて重要な役割を果たしている。米中関係や世界的なサプライチェーンに混乱が生じれば、世界のIT支出に影響を与える可能性がある。
レポートによると、IT市場全体の見通しは明るいものの、PCやスマートフォンなど特定の分野は不確実性が存在するという。いずれの出荷台数も穏やかに成長する見通しだが、激しい競争や需要の変動により、収益性が課題となっている。
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