航空会社やホテルの運営会社など、旅行業界の企業は以前から人工知能(AI)技術を取り入れてきた。生成AIが台頭する中、その活用は加速している。旅行業界でのAI活用例を7つ紹介する。
文章や画像を自動生成する人工知能(AI)技術「生成AI」の台頭は、旅行業界にも影響を及ぼしている。以前から航空会社やクルーズ船の運航会社、ホテルの運営会社などはAI技術を取り入れてきた。そうしたAI技術の活用がさらに進み、業務効率の向上やサービスの改善が図られている。旅行業界におけるAI技術の活用例を紹介しよう。
調査会社Everest Groupのディレクター、スシール・メノン氏によると、旅行業界はダイナミックプライシング(需要と供給に応じて価格を変動させる手法)のために、早くからAI技術を導入した業界だ。これまでは需要の多寡、競合他社の価格、天候、イベントなどに基づいて価格が調整されていた。
この手法が洗練され、パーソナライズが進みつつあるとメノン氏は説明する。「例えば、顧客がパッケージツアーを複数回検索した場合、ツアーの価格を比較しているか、ツアーの購入を迷っているかを推測し、価格を調整できる」(メノン氏)
アメリカ旅行アドバイザー協会(The American Society of Travel Advisors)の広報副社長エリカ・リヒター氏によると、旅行業界でも生成AIが普及し、業務の効率化が進んでいる。例えば、メールの文章やマーケティング資料の作成、顧客情報の登録、電話応対の担当者の割り当てなどだ。
運送会社は車両の管理や予知保全、運行ルートの最適化にAI技術を活用している。ダウンタイム(故障や点検で車両が稼働できない時間)の短縮や修理費用の削減、運行スケジュールの遅延抑制などを見込めるとメノン氏は説明する。
旅行会社はAI技術を活用して情報を要約し、顧客の条件に沿った情報を提供できる。ある旅行予約サイトは、目的地やアクティビティーの口コミを要約し、顧客の質問や興味に応じて提示している。
リヒター氏によると、顧客が生成AIを利用して旅行プランを作成し、それを旅行代理店に持ち込んでカスタマイズする方法が増加しつつある。
AI技術を活用して顧客の感情を推定し、満足度を把握する手法が広がりつつある。顧客の発言から感情を推定して応答を自動化することが可能だ。
顧客がフライトをキャンセルしたときに、AIエージェントが新しい候補日時を提示して予約を促し、ホテルやレンタカーを手配し直すことも可能だ。
旅行業界でのAI活用が拡大する一方、課題やリスクも浮上している。次回はAI導入と運用の課題について紹介する。
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