境界防御型のセキュリティに改めて警鐘

ゼロトラスト「失敗35%」――それでも“現状維持”こそ危ない理由

重要インフラや機密データを標的とした大規模な侵害が相次ぐ中、ゼロトラストの必要性が高まっている。境界型防御では防ぎ切れない攻撃に対して、なぜゼロトラストが有効なのか。導入のポイントと併せて解説する。

 サイバーセキュリティは長い間、強固な城壁と監視塔、外界との境界を隔てる堀を備えた「要塞」(ようさい)を構築することに例えられてきた。この境界防御型のアプローチは何十年にわたって有効だった。だが、今日の高度に接続し合ったデジタル環境では、ITリソースもユーザーも要塞の境界を超えて存在しており、攻撃者にとって格好の標的が増加している。最近のサイバー攻撃は、従来のセキュリティ手法の限界を露呈させ、脅威が絶えず変化する状況において組織がいかに脆弱(ぜいじゃく)であるかを如実に示している。

 ゼロトラストセキュリティ(以下、ゼロトラスト)はこの要塞の考え方を根本から覆す。その基本原則はシンプルながらも革新的だ。「攻撃者の存在を前提とし、常にアイデンティティー(ID)を検証し、リソースへのアクセスを厳格に制限する」。サイバー脅威が日々進化し、データがクラウド、アプリケーション、デバイス間で拡散する現代において、ゼロトラストはセキュリティおよびリスク管理(SRM)リーダーにとって戦略的必須事項となっている。まずその導入の現実を知っておこう。

ゼロトラスト「失敗35%」の現実と未来像

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