経営層と従業員の「深い溝」
6割が“減給でも在宅”を希望するのに企業は「出社を義務化」する本当の理由
ハイブリッドワークの最適解を企業が模索する中、Cisco Systemsの調査からは、従業員が感じる働きやすさと、経営層の思惑にギャップが生じていることが分かった。企業が目指すべき働き方と、そのための施策とは。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)をきっかけに、人々の働き方が大きく変化してから数年が経過した。企業はハイブリッドワーク(テレワークとオフィスワークを組み合わせた働き方)や出社勤務に関する戦略を積極的に見直しているものの、それらの取り組みと従業員の意識の間にはギャップがあることが、Cisco Systemsの調査から明らかになった。調査結果から見えた、ハイブリッドワークを成功させるヒントを紹介する。
優秀な従業員こそテレワークを希望する?
Cisco Systemsは2025年4月、世界21カ国の金融、ヘルスケア、製造業などの業界で働く正社員と管理職合計2万1513人を対象に、ハイブリッドワークに関する調査を実施した。その結果をまとめたレポートが「Navigating Hybrid Work Strategies in Evolving Workplaces」だ。回答者は昇進や昇給の度合いに応じて、「ハイパフォーマー」「アベレージパフォーマー」「ローパフォーマー」の3グループに分類されている。
調査から、多くの企業経営層が出社日数の増加を推奨したり義務付けたりする一方で、経営層の期待と従業員の希望の間にはギャップがあることが明らかになった。豊富な働き方の選択肢と従業員の幸福度に関係性があること、出社を増やす方針に関する明確なコミュニケーションの必要性も浮き彫りになった。
Cisco Systemsは、2022年に実施した同調査と比較して、2025年の調査では、世界的に出社勤務が増加する明確な傾向が見られると指摘した。ハイブリッドワーク制度を利用している回答者の割合は、2022年の62%から2025年には45%に減少した。
調査結果からは、現在の出社中心の勤務形態は、社会的、感情的な面で従業員の幸福度を向上させていることも読み取れる。これに対してCisco Systemsは、時間がたつにつれて、企業が従業員のニーズに応えるためのより良いハイブリッドワークを整備できるようになってきたためだと分析する。
だが出社時間を増やす働き方への移行は、企業の経営層に新たな課題をもたらした。方針変更をいかにスムーズに伝えるか、従業員との間に生じる意見や認識のずれをいかに調整するのかといった点で、手腕が問われるようになったのだ。
「シームレスな業務体験」を実現するには
今回の調査は、ハイブリッドワークに関する意思決定プロセスに従業員を関与させるという点で、経営層には大きな改善の余地があることを示唆している。具体的には、方針を変更する際の説明や、働き方の変更によるビジネスへの影響を正当化することが求められる。
人材の獲得と定着を巡る競争において、ハイブリッドワークが有効な手段であることも明らかになった。特筆すべきは、回答者の63%が、テレワークの頻度を増やせるなら減給を受け入れると答えた点だ。回答者のうち73%は、新しい働き方の下で生産性が向上したと回答した。
従業員の区分けに関しては、ハイパフォーマーの50%が週に3日未満の出社を義務付ける企業で働いていることが判明した。ハイパフォーマーの44%が好みの働き方として在宅勤務を選んだ一方で、従業員の共同作業をする場としてのオフィスの重要性も認識していた。
ハイブリッドワークが現代の企業に定着した今、コラボレーションツールは、優れた従業員エンゲージメントと多様な働き方を実現するための重要な存在であることを、経営層と従業員の双方が理解している。
レポートは、企業が取るべき7つの行動指針を提示している。
- 従業員の多様な意見に耳を傾ける
- 多様な働き方の余地がある状態は生産性を向上させることを認識する
- 生産性を最適化するために従業員との信頼を築く
- 明確なコミュニケーションが成功の鍵になる
- 働き方の自由度とオフィス出社のバランスを最適化する
- 将来の変化にも順応できるワークプレース技術を導入する
- 現在だけではなく未来を見据えた制度を設計する
特に6つ目については、調査対象者の大多数が極めて重要だと認識していた。回答者の93%がコラボレーションツールの本質的な重要性を指摘し、90%が従業員の重要性を挙げた。コラボレーションツールやAI(人工知能)ツールへの投資も盛んだ。だが実際のところ、「自社が全ての勤務場所でシームレスな業務体験を提供しているとは思わない」と答えた回答者が49%いた。この事実に対してCisco Systemsは、「シームレスな業務体験を提供するためのデバイスやツールの必要性を浮き彫りにしている」と意見を示す。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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