古典的だが対策が困難な手口

インフォスティーラーの流行に「ClickFix」が影響? その厄介な手口と対策とは

証券口座への不正アクセスの一因とされるインフォスティーラー。その感染手段として浮上した「ClickFix」とは何なのか。その具体的な手口や対策を解説する。

 2025年、証券口座の不正アクセス被害が全国的に広がった。楽天証券、SBI証券、野村証券など複数の証券会社で、顧客アカウントの乗っ取りによる不正売買が発生。金融庁の統計によると、証券会社のインターネット取引サービスにおける、同年1~8月の不正アクセス件数は約1万5400件、不正取引件数は8700件超に上った。こうした不正アクセスに、攻撃者は「インフォスティーラー」という情報窃盗に特化したマルウェアを活用しているとみられる。

 インフォスティーラーは、どのような経路で感染するのだろうか。その一つだと考えられているのが「ClickFix」という攻撃手法だ。ClickFixは少なくとも2024年初頭には存在していたとみられており、従来のセキュリティ対策では防ぐことが難しい特徴を持つ。

 本稿はClickFixの概要や手口、そして具体的な対策を解説する。

ClickFixとは

 ClickFixは「ソーシャルエンジニアリング」の要素を取り込んだ攻撃手法の一種だ。ソーシャルエンジニアリングとは、人間の心理的な脆弱(ぜいじゃく)性を突いて情報を引き出す攻撃手法を指す。

 ソーシャルエンジニアリングの例としては、うそをついて認証情報を聞き出す「プレテキスティング」、肩越しに入力を盗み見る「ショルダーハッキング」、廃棄機器や書類から情報を得る「ダンプスターダイビング」などがある。ソーシャルエンジニアリングは必ずしも電子的な手段に頼らず、PCの普及よりも前から存在する古典的手法だ。

ClickFixの基本的な手口

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この記事の著者

山根厚介
山根厚介

東北大学中退後、15年間警察で勤務。在職中は主に刑事部門を担当し、鑑識や初動捜査、知能犯罪捜査などを手がける。在職中に日商簿記2級、2級FP技能士、情報セキュリティスペシャリストなどの資格を取得。警察を退職後ライターとして活動を始め、前職や資格をいかして情報セキュリティなどIT関連や家計の節約に関する記事などを手がけている。

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