“部分最適”なAIからの脱却を支援
メルカリも導入、業務20%削減 Googleの新AI「Gemini Enterprise」とは
企業のAI技術活用が進む中、部門間でデータやAIツールが分断され、成果につながらないという課題が生じている。Googleが発表した「Gemini Enterprise」は、この根深い問題に対してどのような効果を発揮するのか。
業務におけるAI(人工知能)技術の活用が進む一方で、その活用範囲が特定の部門や業務にとどまり、企業全体としての変革につながりにくいという課題が生まれている。それぞれのAIツールやデータが孤立し、部門間での業務プロセスを横断してそれらを連携させづらい場合があるためだ。
こうした「部分最適」の状況を打開するため、Googleは2025年10月9日、企業向けAIサービス「Gemini Enterprise」を発表した。これは、AIモデルや個別のツールといった「部品」を提供するだけではなく、社内に散在するデータを連携させることで、部門横断での業務プロセスの自動化を支援する。
Microsoft 365やSalesforceとも連携可能
併せて読みたいお薦め記事
Geminiについて知る
Gemini Enterpriseの中核には、AI技術活用のハードルを下げる仕組みがある。従来、企業がAIツールを導入する際は、自社のデータや複数の業務アプリケーションをIT担当者が手作業で連携させる必要があった。
今回新たに提供されるGemini Enterpriseは、プログラミング知識がなくても、業務を担当する従業員が自らAIツールを活用して業務を自動化できる機能を搭載する。経理担当者が請求書処理のワークフローを自動化したり、マーケティング担当者が広告効果の分析プロセスを自動化したりすることが可能だ。
Googleのサービスだけではなく、「Microsoft 365」や「Salesforce」といった他社のビジネスアプリケーションとも安全に連携できる。企業は既存のシステムを維持したまま、全社のデータに基づいた高度なAI活用を始められる。
プレゼンテーション資料を基に、AI機能がナレーション付きの解説動画を自動で生成したり 、ビデオ会議で話す言語が違っても、AI機能が自然なトーンを保ったままリアルタイムで翻訳したりといった、業務で役立つ機能も利用可能だ。従業員は業務を省力化し、より創造的な業務に集中できるようになる。
すでに複数の企業がGemini Enterpriseの効果を実感している。オンラインフリーマーケットを運営するメルカリは、顧客対応業務にGemini Enterpriseを導入した。これによって担当者の業務量を20%以上削減し、500%のROI(投資収益率)を生み出すと予測している。決済サービスを手掛けるKlarna Groupは、顧客ごとにパーソナライズされた販促コンテンツをAIツールで生成し、導入前と比較して注文数を50%増加させることに成功した。
Googleは単に技術を提供するだけではなく、AI人材の育成プログラムにも力を入れる。100万人の開発者育成を目指す教育プログラムや、企業の課題解決を現場で支援する専門家チームを新たに発足させた。さまざまなパートナー企業と協力し、技術と人材の両面から企業のAI変革を支援することで、市場での主導権を狙う。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
TechTarget ニュースプラス
国内のIT業界ニュースを迅速に報道します。企業動向から導入事例、市場トレンドまで幅広く取り上げ、実務に直結する情報をタイムリーに提供する連載です。
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
8
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
9
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー