暗号が破られる“Xデー”に備えよ【後編】

「ポスト量子暗号」移行問題と「2000年問題」が似て非なる4つの理由

「ポスト量子暗号」(PQC)への備えは、「2000年問題」と似ているようで全く異なるどころか、それ以上に厄介な問題をはらんでいるとの見方がある。両者の主な違いと、企業が今から打つべき対策とは何か。

 従来の暗号技術は、量子力学を用いて複雑なデータ処理を実施する計算技術「量子コンピュータ」によって危機を迎えている。量子コンピュータの実用化への備えは、かつて全世界の企業が取り組んだ「2000年問題」としばしば比較される。2000年問題とは、西暦を下2桁で認識するプログラムが、2000年になると誤作動を起こすと懸念された問題だ。どちらも事前に予見された技術的脅威であり、社会インフラ全体に影響を及ぼす点で共通している。

 だが、これらの課題は同じように対処できるとは言い切れない。ポスト量子暗号(PQC)への移行には、2000年問題とは根本的に異なる、より厄介な要素が存在する。以下でその主要な違いを明らかにし、企業が直面する課題と今から取るべき具体的な対策を解説する。

2000年問題とPQC移行の主な相違点4選

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