「Q-Day」に備える【前編】

“全ての暗号が破られる日”に備える「PQC」移行の根深い障壁とは?

量子コンピューティングが発展し、現在の暗号が破られる「Q-Day」に備えるためには、耐量子暗号(PQC)への移行が不可欠だ。クラウドサービスがその切り札になり得るのはなぜか。移行を阻む4つの課題とは何か。

 量子コンピュータが既存の公開鍵暗号方式を解読するのに十分な性能を持つ日、いわゆる「Q-Day」の到来は、まだ数年先とみられている。しかしクラウドベンダーはその日に備えて、すでに動きを加速させている。企業が事業継続性を維持しつつ、データとアプリケーションを安全に保護できるようにするためだ。その具体的な手段として、既存のインフラに「耐量子暗号」(PQC)を導入する取り組みを進めている。

 サイバーセキュリティコンサルティング企業NCC Groupでディレクター兼シニアアドバイザーを務めるナイジェル・ギボンズ氏は、この動きを「単なる暗号技術の更新ではなく、企業のセキュリティアーキテクチャの根本的な転換点だ」と説明する。クラウドサービスやエッジコンピューティングは、PQCという新しい技術を試す実験場、あるいは大規模展開のためのインフラとして、この転換を実現する上で重要な役割を果たす。

 企業がPQCへの移行を成功させるには、クラウドサービスの活用が鍵になる。それはどういう意味なのか。企業はどのような課題を乗り越える必要があるのか。

クラウドサービスがPQC移行に“不可欠”な理由

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George Lawton
George Lawton

ロンドンに拠点を置くフリーランスのジャーナリスト。テクノロジーやビジネス分野を中心に30年以上の執筆経験を持つ。DevOps、人工知能(AI)技術、感情知性(Emotional Intelligence)、変革的リーダーシップ理論などの分野に関心を持つ。

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