水不足が招くインフラ設計の見直し

AIの代償は「年間4260億リットルの水」 データセンターを襲う資源枯渇の罠

AIハブを目指すMENA地域で、データセンターによる水消費が深刻なボトルネックとなっている。この問題は対岸の火事ではない。日本企業はMENA地域から何を学ぶべきか。

 「MENA」(中東・北アフリカ)地域は、ITインフラの大きな課題に直面している。この地域は水資源が乏しい一方で、人工知能(AI)のグローバルリーダーとしての地位を確立しようとしている。予測によれば、GCC(湾岸協力会議)諸国のデータセンターは冷却などのため、2030年までに年間4260億リットルの水を必要とする。これは水不足が深刻な地域において非常に大きな需要だ。

 サウジアラビアやUAE(アラブ首長国連邦)、カタールの政府は世界の「AIハブ」づくりに注力しているが、水資源の制約がそのボトルネックになりかねない。これは決して、砂漠地帯特有の極端な事例ではない。日本においても電力不足や炭素排出規制、水使用効率への視線は厳しくなりつつある。

 AI技術の普及がもたらす熱密度は、従来の冷却方法によるデータセンター設計の限界を露呈させ、情報システム(情シス)部門はインフラ選定の基準を根本から書き換える必要に迫られている。先行しているMENA地域からは何を学べるのか。

「AIブーム」の裏側で進行するインフラの持続性危機

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