1万7000人のID管理を刷新

手作業のID管理は“無駄な支出”の温床? 清水建設が「Okta」で絶った負の連鎖

大規模なシステム運用において、手作業による膨大な数のアカウント管理は担当者の疲弊だけではなく、不要なライセンス費用も生む。清水建設はこの深刻な課題をどう乗り越えたのか。

 長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」の下、持続的成長に向けた経営体制の強化を掲げる清水建設にとって、デジタル技術を活用した事業推進体制の整備は重要な課題だった。建設業界では、工事の工程に合わせて複数の協力会社と多層的に連携する構造上、協力会社が利用する業務システムでのアクセス権限の管理が複雑化しやすい傾向にある。

 清水建設も、協力会社向けに請求業務や完了報告業務など複数のシステムを提供してきたが、クラウドサービスやオンプレミスの業務システムなど、形態が異なるシステムごとにログイン情報を個別に管理する必要があった。手作業によるアカウントのメンテナンスは、システム管理者の運用負荷を増大させるだけではなく、利用者のパスワード管理の負担やセキュリティ上の懸念事項も生み出していた。

 これらの課題を解消するため、清水建設は日立ソリューションズの支援を受け、Oktaの顧客ID管理・統合認証サービス「Okta Customer Identity」の導入に踏み切った。最大6000社、1万7000人が利用する複数システムの入り口を一本化する大規模なプロジェクトだ。

 このような規模のアカウント群を1つのシステムに統合しようとすれば、定額課金によるライセンス費用の肥大化や、利用頻度の低いアカウントの残留といった新たな壁が立ちふさがる。清水建設はいかにしてこれらのジレンマを乗り越え、運用費の適正化と強固なセキュリティを両立させたのか。その具体的な仕組みに迫る。

手作業の限界と“無駄な支出”からの脱却

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