多段連携のブラックボックスと縦割りの壁を解消

SAP連携の「終わらぬ切り分け」に終止符 LIXILが障害調査を年200時間削った訳

フロントエンドと基幹システムを連携したシステムで障害が起きると、原因の切り分けが泥沼化し、復旧が遅れがちだ。ビジネスを停滞させる構造的課題を、LIXILはどう乗り越え、調査時間を年200時間も削減したのか。

 建材、設備機器大手のLIXILは、工務店やリフォーム店などおよそ3万社が日々利用する営業フロントシステム「CRASFL」と、基幹システムであるSAPのクラウドERP(統合基幹業務システム)「SAP S/4HANA」を連携させてビジネスを展開している。CRASFLは同社の建材製品の売り上げにおける約50%を扱う重要なシステムであり、商品検索、見積依頼、発注、納期確認といった複雑かつ高負荷な処理を、リアルタイムで実行している。

 近年、LIXILは基幹システムの刷新と「Google Cloud」へのシステム移行を進める中で、フロントエンドからバックエンドに至る多段プロセスの遅延や障害対応が大きな課題となっていた。従来は、ユーザー体験を損なう問題が発生した際、フロントエンド担当者からバックエンド担当者に順次エスカレーションしながら、各担当者が原因を探る必要があった。この分断された“バケツリレー”手法では迅速な解決が難しく、難易度の高いトラブルシューティングには1週間を要することもあった。

 この「サイロ化」の壁を壊し、障害対応プロセスを抜本的に変革するため、LIXILはシステム全体の稼働状況を一元的に可視化する共通ツールとして、オブザーバビリティ(可観測性)を提供するシステムを導入した。その結果、問題の原因特定に要していた時間を年間およそ200時間削減することに成功している。

 多段にわたる複雑なシステム連携において、LIXILはいかにして迅速な原因特定を可能にし、開発組織の変革につなげたのか。

可視化で多段連携のブラックボックス化を解消

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