IT予算不足を打破する次世代インフラ戦略

HCIの更新費用が高過ぎる──九工大が直面した「ライセンス高騰」の抜け道

ライセンスやハードウェア費用の高騰が、更新予算を圧迫している。「HCIの更新費用が足りない」という悩みに直面した九州工業大学が選んだ、「予算内でインフラを強化する」秘策とは。

 「数年前に導入したHCI(ハイパーコンバージドインフラ)の保守切れが迫っているが、リプレースの見積もりを見てがくぜんとした」――。昨今の著しいソフトウェアライセンスやハードウェア価格の高騰によって、こうした悲鳴が各所のIT部門から上がっている。かつて「運用が楽になる」「スモールスタートできる」ともてはやされたHCIだが、更新のタイミングで跳ね上がる膨大なコストが、いまやIT予算を圧迫する要因になりつつある。

 九州工業大学も、まさにこの「HCI更新の壁」に直面した組織だ。同大学は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策を機に、講義室に教育用PCを設置する方法を廃止し、学生個人のPCを利用するBYOD(Bring Your Own Device)方式に移行した。これに伴い、オープンソースソフトウェア(OSS)の学習管理システム(LMS)「Moodle」の利用が急増したが、旧インフラでは容量が不足していた。今後のAI(人工知能)技術活用に向けたデータ一元管理システムも求められていたが、旧来のHCI製品では、必要な性能を予算内で確保することが困難になっていたのだ。

 予算不足の中で費用抑制と拡張性を重視した九州工業大学が、ハイパーバイザーとして白羽の矢を立てたのが、OSSの「Proxmox Virtual Environment」(以下、Proxmox)だった。

予算増額なしで「HCIの限界」をどう突破したのか

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