ローコード開発でIT部門と現場のすれ違いを解消

「野良Excelマクロ」に悩むSMBC日興証券が導き出した内製化の“現実解”

開発要件に応え切れず外部委託が膨らむ一方、現場では独自のマクロによる「野良ツール」が乱造されてブラックボックス化する。IT部門によくあるジレンマを打破した、SMBC日興証券のローコード開発ツール活用とは。

 事業部門からの要求に対し、IT部門の人手は常に枯渇している。要件に応えるために外部パートナーへの委託を増やせば、費用の最適化が難しくなるばかりか、社内に開発のノウハウが蓄積されないという大きな課題に直面する。

 一方で、開発チームがない事業部門はどう動くか。彼らは自衛策として、「Microsoft Excel」マクロなどの手段を駆使して、独自の業務ツール(EUC:エンドユーザーコンピューティング)を乱造し始める。その結果、作成者にしか仕様が分からない「属人化したブラックボックス」が乱立してしまう。企業にとって重要な機能を、安定性や継続性が保証されていない“野良ツール”で運用し続けることは、コンプライアンスやリスク管理の観点から危険な状態だ。

 SMBCグループの中核を担うSMBC日興証券も、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に伴うビジネスニーズの急拡大によって、「開発プロセスの長期化」「人材不足」という壁に直面していた。IT部門主導の開発では変化のスピードに追い付けず、かといって事業部門主導のEUCを放置すればガバナンスが崩壊する。

 この両極端な体制の間を埋め、「IT部門と事業部門が連携してスピーディーに改善を推進できる」第3の選択肢として、SMBC日興証券はローコード開発に着目した。金融機関という厳格な統制が求められる場において、同社はどのように野良ツールのリスクを抑え込み、システム開発におけるガバナンスを維持したのか。

野良ツールと大規模開発の溝をどう埋めるか

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