オンプレ脱却で得られた成果は
20拠点のNASが限界を迎えた日――婚礼大手が決断したクラウド移行の舞台裏
アイ・ケイ・ケイホールディングスは全国20拠点のNASを廃止し、クラウドストレージへ移行した。同社が抱えていた課題と得られた成果は。
婚礼事業を中心に多角的なホスピタリティ事業を展開するアイ・ケイ・ケイホールディングスは、全国20拠点のNAS(ネットワーク接続型ストレージ)を撤廃し、クラウドへ移行した。2026年4月14日、ファイルフォースが発表した。クラウド移行に至ったきっかけと成果は。
クラウド移行を決めたNASの限界
併せて読みたいお薦め記事
クラウド移行を成功に導きたい
アイ・ケイ・ケイホールディングスは、これまで各支店にNASを設置し、オンプレミス環境でファイル共有を実施してきた。しかし、全国20拠点以上に分散した構成は運用面で限界を迎えていた。設置から時間が経過したNASやUPS(無停電電源装置)などの物理機器は老朽化が進み、故障対応の頻度が増加。障害発生時に現地に出向くことは難しく、情報システム部は状況把握のために現場担当者へのヒアリングに頼らざるを得ない状況だった。さらに、バックアップやセキュリティ対策を含めた管理の複雑化も、運用負荷を一層高めていた。
こうした状況から、物理機器の老朽化によるリスクや、セキュリティおよびバックアップ運用の限界が重なり、「オンプレミスのNASを維持し続けることは困難」と判断。全社的なファイル基盤のクラウド化への移行を決断した。
そこで同社が採用したのが、ファイルフォースが提供する法人向けクラウドストレージ「Fileforce」だ。
クラウドストレージの製品選定に当たっては、現場の利便性と管理性の両立を重視した。Windowsエクスプローラーと同様の操作性を備え、ITリテラシーを問わずスムーズに移行できる点を評価。また、管理者の運用負荷を軽減するため、ID管理・認証基盤である「Microsoft Entra ID」との高い連携性も重視した。SSO(Single Sign-On)やSCIM(System for Cross-domain Identity Management)に対応しており、ユーザー単位だけでなくグループ単位での権限管理や、アカウント管理の一元化・自動化が可能な点を高く評価した。さらに、ランサムウェア対策として、ふるまい検知や感染レポートの自動生成、被害ファイルのワンクリック復元といった機能を標準で備える点や、ユーザー数に依存しない容量課金モデルによって拠点数・ユーザー数が多い環境でも無駄のないコスト設計が可能な点も高く評価された。
導入後は、オンプレミス機器の廃止によって故障リスクは解消。障害対応やバックアップ管理に要していた工数を削減することができた。加えて、操作や管理方法の統一により運用の標準化が進み、ログ機能や管理機能の活用によって日常運用の効率化も実現。属人化の防止にもつながっている。
アイ・ケイ・ケイホールディングス システム部 インフラグループの森本氏は、「オンプレミス特有の運用負荷から解放された効果は非常に大きい。セキュリティと運用効率の両面でメリットを実感している」としている。今後は、電子帳簿保存法への対応を見据えたオプション機能の活用も検討し、さらなる業務効率化を推進する。
(※)この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「アイ・ケイ・ケイ、全国20拠点のNASをクラウド化 保守負荷を大幅削減」(2026年4月15日)を、TechTargetジャパン編集部で一部編集し、転載したものです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
2
MS月例パッチが1000件突破 人手不足の情シスを襲う「月1回メンテ」の崩壊
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる 跡形もなくMFAを破る手口
-
5
「Microsoft一択」で本当にいいのか 知らぬ間にライセンス費用が膨らむ真相
-
6
「Linuxサーバの長期運用とRed Hat Enterprise Linux」に関するアンケート
-
7
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
8
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
9
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
10
DXを阻む「動くだけ」のレガシーシステムに決別するための生成AI活用術
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
3
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
4
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
-
5
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
6
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
7
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
8
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
9
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
10
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー