企業が直面するAI移行のジレンマ

なぜ「SaaSは終わった」と言われるのか? ”人が操作する画面”が迎えた限界

SaaSを導入しても抜本的な業務効率化が進まず、現場は依然として手作業に疲弊している。「SaaS is Dead」という言葉が聞かれる中、AIツールを活用した新たな仕組みへの移行がなかなか進まない背景には何があるのか。

 企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)をけん引し、人手不足解消の切り札として普及してきたSaaS(Software as a Service)だが、近年では「SaaS is Dead」(SaaSは終わった)という言葉を耳にするようになった。導入したものの期待したような抜本的な効率化につながっておらず、現場の業務負担が解消されていないという痛みが背景にある。

 操作ナビゲーションシステムを提供するテックタッチは、2026年4月9日から10日にかけて、従業員1000人以上の大企業における情報システム/DX推進担当者および責任者109人を対象に、SaaSの運用実態に関する調査を実施した。その結果、SaaSを導入しているにもかかわらず、「AI(人工知能)ツールなら自動化/効率化できるはずの作業」を依然として手動で実行している状況に対し、半数以上が明確な課題を感じていることが明らかになった。SaaSが単なる「人が操作するための画面」にとどまっており、業務プロセスそのものの進化に結び付いていない状況がうかがえる。

 SaaSに対するエンドユーザーの期待が変わりつつある中、なぜAI機能を前提とした新たな仕組みへの移行は一気に進まないのか。そこには、既存のシステム資産と新たな技術の間で揺れ動く、日本企業ならではの障壁が存在していた。

現場を疲弊させる「SaaSの手作業」

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