「疎結合化」でモダナイゼーションを加速
決済データ急増で限界のメインフレームを救え 日本総研のストレージ活用術
日本総合研究所は関連クレジットカード会社のデータシステムに「Dell PowerScale」を採用した。年率約20%で急増するトランザクションによるメインフレームの負荷増大を解決したシステム構成とは。
日本総合研究所(以下、日本総研)がシステムを担う関連クレジットカード会社では、キャッシュレス決済の普及に伴って少額決済が急増し、トランザクション量が年率約20%のペースで増加し続けていた。
このデータ量の爆発的な増加は既存のメインフレームに多大な処理負荷をかけ、基幹システム全体の安定稼働を脅かす懸念が生じていた。
この課題に対し日本総研は、高負荷な処理をオープン系のデータシステムへと「オフロード」する決断を下し、その中核としてDell Technologiesのスケールアウト型ストレージ「Dell PowerScale」(以下、PowerScale)を採用した。急増するトランザクションの安定した処理と、データ活用能力の大幅な向上を実現したという。メインフレームの安定稼働と最新のデータ分析を両立させた仕組みとはどのようなものか。
メインフレームとオープン系システムをつなぐPowerScale
日本総研が新しいデータサービスシステムの構築において最も重視したのは、基幹システム(メインフレーム)と周辺システム(オープン系システム)の「疎結合化」だ。これまではメインフレーム内部で完結していたデータ加工処理を外に出すためには、データの安全な受け渡し方法を確立する必要があった。
採用の決め手となったのが、複数プロトコルによるデータの受け渡しが可能な点だ。PowerScaleは、「NFS」「HDFS」「SMB」「S3」といった多様なプロトコルを、単一のシステムで扱うことができる。日本総研はPowerScaleをメインフレームとオープン系システムの共有ファイルサーバとして配置するアーキテクチャを採用した。具体的には、メインフレームからはNFS経由で直接データを書き込み、分散処理ソフトウェア「Hadoop」「Apache Spark」を中核としたオープン系システムからはHDFS経由でデータを読み込んで処理する。
この仕組みによって、既存のメインフレームのプロセスや制御ロジックに手を加えることなく、安全なデータの受け渡しが可能になった。システム間でのデータ連携が簡素化されたことで、メインフレームとApache Sparkのアプリケーション開発者間のコミュニケーションが円滑になり、開発現場の連携強化にも寄与しているという。
無停止での拡張と異世代モデルの混在運用
日々のトランザクション量が年率20%というスピードで増え続ける状況において、ストレージの拡張性はシステムの寿命を左右する重要な要素だ。日本総研はこれまでも、PowerScaleの前身となる非構造化ストレージをデータ分析システムとして活用してきた実績があり、その性能と信頼性を高く評価していた。
PowerScaleはスケールアウト型ストレージであり、システムを稼働させたままノード(サーバ)を追加することで、性能と容量を無停止で自由度高く拡張できる。一晩で数十TB級のデータが生成され、大量のトランザクションが集中する過酷な日であっても、メインフレームが遅延することなく安定稼働し、これまでと同等以上のパフォーマンスを確保できているという。
特筆すべき点は、単一のクラスタ内に異なる世代のハードウェアモデルを混在させて運用できることだ。新しいノードを追加するだけでシステムが自動的にデータバランシングを実施するため、ハードウェア更新や容量追加に伴う煩雑な運用管理作業を排除できる。
クラウド時代を見据えたDXインフラへの進化
今回の刷新は、単なるメインフレームの負荷軽減にとどまらない。周辺システムとの疎結合化を実現したことで、メインフレームへの負荷や影響を気にすることなく、蓄積された膨大な基幹データを周辺システムで容易に利活用できる条件が整った。
日本総研の小林直樹氏(データ・情報システム本部データエンジニアリング本部付部長)は、「積年の課題であったメインフレームのトランザクション処理負荷の影響を受けない運用が図れた上に、データ活用の自由度も拡がったことは大きな成果だ」と述べる。その上で、今後のモダナイゼーションの取り組みにも弾みがつくと見込んでいる。
S3をはじめとするクラウドストレージプロトコルを活用する準備が整ったことで、拡張性に優れたシステムを確立した。これによって、将来的なマルチクラウドインフラへの移行や、多様なアプリケーションでデータを自由に活用できるようになった。SMBCグループ内における継続的なデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える堅牢(けんろう)な土台が整ったと言える。
Dell Technologiesも、今回の日本総研の取り組みを「金融業界のモダナイゼーションにおけるモデルケース」だと位置付けている。基幹システムと周辺システムの疎結合化によってデータ利活用の自由度を飛躍的に高め、「AI Ready」なデータ利活用システムの高度化を実現した本事例は、同様の課題を抱える企業に示唆を与えている。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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