デモではうまくいっていても……

人型ロボット「ヒューマノイド」は人類にはまだ早い

Teslaなどの大手企業が開発を進め、デモで完璧な挙動を見せるヒューマノイドだが、実際のビジネス現場ではまだ実用段階には達していない。背後にある人間の心理的な「錯覚」と、企業が直面するシビアな現実とは。

 物理的なAIの代表格である「ヒューマノイド」(人間の身体的特徴に似せたロボット)は、性能を向上させており、注目の分野だ。歩き回ってタスクをこなすロボットのデモはますます洗練され、見る者を引き付ける。しかし、条件の整ったステージでうまくいくからといって、実際の稼働環境で通用するとは限らない。現場での運用においては、信頼性や費用、手先の器用さといった課題が依然として残っている。

 自律型(人間の指示なしに自ら動く)と紹介されているロボットシステムが、実は人間の支援や遠隔操作(離れた場所からの操縦)に依存しているケースもある。これは、技術がいかに開発途上であるかを浮き彫りにしている。電気自動車メーカーTeslaの汎用(はんよう)ヒューマノイド「Optimus」は、2021年の発表時に大きな注目を集めた。ところがその後の報道で、複雑な動作や会話などの稼働には人間の関与(遠隔操作)が不可欠であることが明らかになった。こうした傾向は他の事例でも珍しくない。

見落としがちな理想と現実のギャップ

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