開発環境の準備に潜む“時間泥棒”

「調達半年、設定に丸1日」のPC準備 トヨタはAWSでどう脱却した?

エンジニアを迎えるたびに発生するPC調達と環境構築の泥沼。PC調達に半年、初期設定に丸1日を費やしていたトヨタ自動車は、この苦境をある手法で脱却した。どのようにしてトラブルを解消したのか。

 ソフトウェア開発の内製化や高度化に伴い、エンジニア人材の採用・育成はますます重要になっている。そこでIT部門や現場の受け入れ部門を悩ませるのが「開発環境の準備」だ。

 トヨタ自動車のパワートレーン電子開発部は、数百人規模のエンジニアを対象とした「ソフトウェアブートキャンプ」の運営において、同様の壁に直面していた。従来、研修参加者は初日に各自のPCに20種類以上の開発ツールを個別にインストールする必要があり、環境構築だけで丸1日を費やしていたという。

 さらに深刻だったのは、数百台に及ぶPCの機種や性能、導入時期がばらばらだったことだ。その結果、「手順書通りに設定しても正常に動作しない」というトラブルが頻発した。インストラクターはカリキュラムの進行を止め、個別のトラブルシューティングや調整に忙殺され、本来の教育業務が阻害される“時間泥棒”の被害に遭っていた。研修要件を満たす高性能PCの調達自体に約6カ月を要することも、運用上の大きな足かせになっていた。

 この「環境構築の泥沼」から脱却するため、トヨタ自動車は個別PCへの依存を捨て、受講者全員が同一の環境ですぐに学習を開始できるデスクトップサービス(DaaS)の構築へと踏み切った。

手順書通りでも動かない「環境依存トラブル」をどう断ち切るか

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