導入はゴールではなくスタートライン

高額投資でもAIが定着しない 4社に3社が抱える「信頼の欠如」

高額なAIツールを導入しても、なぜ現場に浸透しないのか。Deloitteの調査では実戦投入が進む企業は25%にとどまる。形骸化を防ぎ、生産性を引き出す業務再設計と「信頼されるガバナンス」の要点を解き明かす。

 大半の企業はAIの試験的な導入段階を終え、法人向けのAIアシスタントやCopilot、その他の生成AIツールに投資している。しかし、ビジネスリーダーたちは、従業員にAIを定着させることに難しさを感じている。

 多額の投資にもかかわらず、企業は依然として社内でのAI普及に苦心している。Deloitteが発表したレポート「2026 State of AI in the Enterprise」によると、AI施策を実運用に移行できた企業はわずか25%にとどまった。これは、組織全体でAIをスケールさせることの難しさに直面していることを浮き彫りにしている。

 Ciscoのコラボレーション担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャー、スノーレ・ケスブ氏は「AI導入はゴールではなく、スタートラインだ」と指摘する。「それ以外の捉え方をしている企業は、なぜ物事が進まないのかと頭を抱えることになる」

 AIをうまく定着させるために必要な組織変革を過小評価している企業は多いとケスブ氏は言う。最初の課題は、組織そのものの再設計だ。「組織構造や役割、意思決定の速さなど、全てを進化させる必要がある。この要求は決して小さくないが、ほとんどの企業は対応が追い付いていない」

 AIの普及を成功させている企業は、強力なエグゼクティブのリーダーシップと、現場からのボトムアップの勢いを組み合わせているとケスブ氏は説明する。リーダーが明確なビジョンを示す一方で、従業員にもAI技術が業務をどう改善できるかを探る機会が必要だ。この組み合わせにより、AIの活用は単なる「上意下達のIT施策」ではなく、組織内に有機的に広がっていくという。

 高い普及率を維持している企業は、ワークフローの再設計とガバナンスに投資し、従業員が安心してAIを使える環境を整えている。

ワークフローの再設計と前向きな姿勢が普及を促す

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