既存ツールを使い倒す現実的な選択

“脱Excel”を待ち受ける乱立問題 カカクコムが新ツール導入を見送った理由

現場部門の「新しいツールを導入したい」という要求は、情報システム部門の負担になり得る。しかしカカクコムの経理部門は、“個別導入のつけ”を危惧し、既存システムの徹底活用を選んだ。その背景とは。

 全社的なDX(デジタルトランスフォーメーション)推進や業務効率化の機運が高まる中、各事業部門から「新しいクラウドサービスを導入したい」「最新のBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを使いたい」といった要望が情報システム部門に寄せられることは日常茶飯事だ。特に、「Microsoft Excel」を中心とした手作業が大半を占める部門での「脱Excel」は急務となっている。しかし、現場の要求をうのみにして個別ツールを場当たり的に導入すれば、既存の基幹システムとのデータ連携やマスター管理の破綻といった問題が待ち受けている。

 購買支援サイト「価格.com」やレストラン検索・予約サービス「食べログ」などを展開するカカクコムは、事業体制の変化に伴い、財務経理部門において自ら業務効率化を進められる体制と、現場の業務環境の整備が急務となっていた。日々のチェック作業をMicrosoft Excelに依存しており、業務の属人化と作業負荷が課題となっていたからだ。

 ここで候補になり得るのは、最新のデータ分析ツールなどの新規ツールだ。しかしカカクコムの財務経理部は、個別ツールを新規導入した場合に生じる「システム間の連携作業の大きな負担」というリスクを直視し、既存の財務会計システムと連動するツールを最大限に活用する選択をした。

 情報システム部門と現場を苦しめる連携問題を回避しつつ、カカクコムはいかにしてMicrosoft Excel業務のダッシュボード化と属人化の解消を果たしたのか。

情シス泣かせの「ツール乱立」を現場が自ら回避した理由

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