世界的な規制乱立期を乗り切るために

「規制確定待ち」は命取り 情シスが今すぐ踏み出すべきAIガバナンスの6ステップ

世界中で相次ぐAI規制の制定に完璧な明快さを待つ時間はない。シャドーAIの把握からベンダー管理まで、法改正に即応できる柔軟なガバナンス体制を今すぐ構築するための実践アプローチを解説する。

 AI規制を取り巻く環境は複雑だが、強力なガバナンス原則があれば、企業は法制化に先回りして対応できる。

 企業は、欧州連合(EU)、全米各州、米連邦政府によるAI規制の複雑な組み合わせに直面している。こうした要件の多くが変化し続ける中で、規制の不透明感が解消されるのを待つという選択肢はない。最高情報責任者(CIO)はAI投資を進めつつ、新たに登場する法律に適応できるガバナンスプログラムを構築しなければならない。

 そのためには、組織全体で誰がどこでAIを利用しているかを特定し、リスクを評価し、複数の管轄区域で通用する方針を作成し、規制の変化に応じて調整する必要がある。包括的で柔軟なAIガバナンスの枠組みを構築した企業は、イノベーションを減速させることなく将来の要件に対応できる。

 Rimini StreetのグローバルCIOを務めるジョー・ロカンドロ氏は「規制が完全に明確になるのを待ってはいけない。今すぐ適応力のあるガバナンス枠組みを構築すべきだ。責任の所在を明確にし、全てのユースケースを棚卸し、リスクに応じた監視を実施することが重要だ」と語る。

 以下では、シャドーAIの把握からベンダー管理まで、法改正に即応できる柔軟なガバナンス体制を今すぐ構築するための実践アプローチを解説する。

エグゼクティブサマリー

  • AIの可視化:承認済みツール、シャドーAI、組み込みAI機能を含め、従業員がどこでAIを使用しているかを把握する
  • リスクベースの監視:バイアス、プライバシー、セキュリティ、コンプライアンスなどの要因に基づいてAIシステムを評価する
  • 管轄区域を越えた標準:新しい規制ごとに別々のプロセスを作成するのではなく、地域を超えて機能するガバナンス原則を確立する
  • ガバナンスの所有権:IT、法務、セキュリティ、コンプライアンス、事業部門の代表者で構成される横断的な委員会を作成する
  • 継続的な適応:規制の進展に合わせて迅速に調整できる柔軟なガバナンス枠組みを構築する

AI規制の現在地

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