『【令和8年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者』出張版
【基本情報技術者試験】そもそもOSは何をしている? 「ジョブ管理」の仕組みを解説
ITの基礎理論から経営・マネジメントまで幅広い知識が問われる国家資格「基本情報技術者試験」。IT担当者が直面しやすいテーマを取り上げ、図解を交えながら実践的な知識を解説します。今回は、「OS」の全体像と、プログラムを効率よく実行するための「ジョブ管理」機能について取り上げます。
「基本情報技術者試験」は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施し、経済産業省が認定する国家試験です。「ITエンジニアの登竜門」として知られていますが、ITの基礎だけではなく、プロジェクトマネジメントや経営戦略、関連法規、会計など、ITをビジネスに活用するための幅広い知識が問われるのが特徴です。そのため、エンジニアのみならず、企業のIT担当者やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に関わるビジネスパーソンにとっても、実務に直結する知識を体系的に学べる資格として重要視されています。
本記事はSBクリエイティブ刊『【令和8年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集』(高橋 京介 著)から、IT担当者が日々の業務で直面しやすい重要テーマをピックアップし、図解を交えながら解説します。今回は、「OS」の全体像と、プログラムを効率よく実行するための「ジョブ管理」機能について取り上げます。
オペレーティングシステム
システムは「ハードウェア」と「ソフトウェア」の2つの要素から構成されています。本章ではこのうちの「ソフトウェア」について解説します。
ソフトウェアはさらに、「OS(オーエス)」と「アプリケーションソフトウェア」の2つに分類できます。
OSとは
OS(オーエス:Operating System)とは、アプリケーションソフトウェアとハードウェアの間で処理を仲介するソフトウェアです。世界で最も普及しているパソコン向けのOSはWindows(ウィンドウズ)です。また、macOS(マックオーエス)も広く利用されています。他にも、iPhoneに搭載されているiOS(アイオーエス)や、さまざまなスマートフォンに搭載されているAndroid(アンドロイド)もOSの一種です。
OSは前の図のように「アプリケーションソフトウェアとハードウェアをつなぐ架け橋」ということもできます。
一方、アプリケーションソフトウェアとは、ユーザーに特定の機能を提供するソフトウェアです。例えば「カメラ機能」や「メッセージ機能」などです。
OSの4つの機能
OSにはさまざまな機能が搭載されていますが、基本情報技術者試験では次の4つの機能に関する知識が出題されます。
- ジョブ管理
- タスク管理
- 記憶管理
- データ管理
それぞれの解説が比較的長いので、通読するのは大変ですが、それぞれの特徴や違いを把握するためにも、(4)データ管理まで一気に読み進めることをお勧めします。それでは、まずはジョブ管理から解説します。
(1)ジョブ管理
ジョブ管理とは、ジョブの実行順序を管理する機能です。ジョブとは、ユーザーがコンピュータに依頼する仕事の単位です。例えば、「書類の印刷」「ファイルの複製」などがジョブに該当します。
ジョブはOSが取り扱います。OSは、ユーザーが出したジョブを受け取ると、それをさらに細かい単位に分解し、CPUに渡して処理を実行してもらいます。
なぜジョブ管理が必要か
なぜジョブ管理が必要なのでしょうか。それは、CPUとその他のハードウェアの処理速度が大幅に異なるからです。例えば「書類の印刷」のようなジョブの場合、プリンターはCPUと比べて処理速度が圧倒的に遅いため、もしOSにジョブ管理機能がない場合、CPUはプリンターの処理が完了するまで、待ち状態となります。これではCPUの能力を十分に活かせません。そこで、OSがジョブ管理を行い、プリンターが印刷処理を実行している間は、CPUには別のジョブを実行させるなどして、CPUを有効活用します。これがジョブ管理の内容です。
スプーリング
OSがジョブ管理を行って、CPUとプリンターを別々に動作させるには、「スプーリング」という技術が必要となります。
スプーリングとは、「CPU」と「低速の入出力装置」の間のデータ転送を、「高速の補助記憶装置」に仲介させる技術です。
スプーリングは、プリンターでの印刷時によく使われる技術です。先述したように、CPUと比べるとプリンターの動作は非常に遅いため、CPUとプリンターが直接やり取りをするとCPUが待ち状態になってしまいます。
そこで、CPUとプリンターの間に補助記憶装置(ハードディスクなど)を配置し、そこに一時的にデータを保存します。そして、プリンターの処理のスピードに合わせて補助記憶装置からプリンターにデータを送ります。こうすることで、CPUは別のジョブを行うことができます。
バッファ
スプーリングで使用する補助記憶装置のように、処理速度や転送速度の異なる2つの装置の差を補うことを目的として、データを一時的に保存する記憶装置のことを「バッファ」といいます。装置間の差を和らげる(緩衝する)役割であることから「緩衝記憶装置」と呼ばれることもあります。
なお、CPUと主記憶装置の処理速度の差を補う「キャッシュメモリ」や、主記憶装置とハードディスクの処理速度の差を補う「ディスクキャッシュ」もバッファの1つです。
※この記事はSBクリエイティブ刊『【令和8年度】 いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集』から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部加筆編集の上、転載したものです(無断転載禁止)。
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