Microsoftの小規模な「SLM」で何ができる？ 金融・製造で見込む用途とは：「Phi-3」ファミリーを基に開発

Microsoftが小規模言語モデル（SLM）「Phi-3」ファミリーを基にした、業界特化型のAIモデルを提供している。金融や製造業ではどのような用途を見込むのか。

[Cliff Saran，TechTarget]

　Microsoftは、さまざまな業界に特化したAI（人工知能）モデルを提供している。それらは、同社の小規模言語モデル（SLM）「Phi-3 」ファミリーを基にしており、金融や製造業など各業界のニーズに応える。どのような用途を見込むのか。

金融・製造で見込む用途とは

　業界特化型のSLMは、ユーザー企業が独自のAIツールを構築、検証、評価、デプロイ（展開）できるMicrosoftのAI開発ツール「Azure AI Studio」を通じて利用するか、Microsoftのパートナー企業が提供するものを利用できる。

　Azure AI Studioを使う場合、AIモデルカタログからAIモデルを選択し、回答を評価して試験環境から運用環境に展開できる。これらのAIモデルは、Microsoft 365 Copilotを特定のニーズに合わせてカスタマイズできる「Microsoft Copilot Studio」でも使用できる。

　金融分野では、RegTech（RegulationとTechnologyを組み合わせた造語）企業のSafirが、AIモデルカタログを通じて4つのAIモデルを提供する計画だ。同社は、投資信託を販売・運用するFidelity Investments傘下のインキュベーター、Fidelity Labsが支援している。

　Safirは、テキストや画像のコンプライアンス検証に役立つAIモデルや、よりコンプライアンスに適した言語を提案するAIモデルを提供する。

　製造分野では、ソフトウェアベンダーのRockwell AutomationがAIモデル「FT Optix Food＆Beverage」を提供。食品や飲料分野の現場作業員にトラブルシューティングを支援する。

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