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企業戦略を定義/実装するための3つの方法
自社の戦略や将来の見通しが不明確な場合、IT管理者はどうすればいいのだろう? ここでは、自社の戦略を見つけ、実装するためのアドバイスを幾つか紹介しよう。
IT管理者はしばしば、暗やみに取り残されたような気持ちになるものだ。特に、自社の戦略に関してはなおさらだ。多くの場合、戦略の定義すら難しいケースが少なくない。そこで、まずは戦略の定義から始めることにしよう。
私はピーター・ドラッカー氏の定義を支持している。同氏によれば、戦略とは、自社の現在の立ち位置、それをこの先どこへ持って行きたいか、そして、どうすればそこにたどり着けるかを理解することだという。大半の企業、そしてその経営者らは、必ずしも競争が激烈になる可能性をしっかり直視しているとは限らないものの、少なくとも自社の現在の立ち位置は理解している。だが、将来に対する明確な見通しを持っている企業は少ない。つまり、どの市場で事業を進めていくか、どの程度の速度でどのくらいの規模まで成長できるか、どのように差別化を図るか、顧客に何を提供できるか、といった点に関する見通しだ。自社の戦略や将来の見通しが不明確な場合には、どうすればいいのだろう? ここでは、自社の戦略を見つけ、実装するためのアドバイスを幾つか紹介しよう。
会社の活動の中から戦略を見つけ出す
会社の記録文書からは、明文化された企業戦略が見つからないかもしれない。だが、だからと言って、あなたの会社に戦略がないということにはならない。私はある大手企業のCEOを相手に、その会社の戦略を批判したことがある。この会社の明文化された企業戦略はあいまいで、差別化の計画も練られていない、と私はこのCEOに指摘した。すると彼は私をにらみ返し、会社は過去数年間で劇的に成長した、と反論してきた。この会社の活動をさらに入念に調べてみたところ、この会社にはしっかりとした戦略があったことが明らかになった。その戦略は「補完的な製品を持つ企業の買収を通じて、市場シェアを構築する」というものだった。だが、その戦略は社内のどの文書にも書き留められていなかったのだ。
企業はしばしば、暗黙の戦略を持っているものだ。そうした戦略を理解するためには、CEOが繰り返している行動に注目するしかない。注意深い観察者となり、自社が進んでいるのであろう方向性を見つけ出し、同僚との会話を通じて検証するといいだろう。
「日和見主義」という戦略の可能性も
会社が発足し、成長を目指すにあたっては、企業はしばしば自分たちにできそうなあらゆるビジネスチャンスを追求するものだ。製品ベンダーではなく、サービスベンダーの場合は、なおさらそうだ。「現実的な戦略においては、重点を絞り、難しい決断を下す必要がある」ということを企業が理解するまでには、ある程度の時間がかかるだろう。だが、なかには、いつまでたっても日和見主義から脱しない企業もある。そうした企業は、動いているものすべてを追い求めることになる。
もしあなたの会社がこのような方針で運営されているようならば、試練を覚悟すべきだ。IT部門は経営陣の気まぐれへの対応を求められることになるだろう。それは、難しい状況だ。そうした状況においては、抜け目なく立ち回るしかない。そして、最終的に会社が成長することを望むしかない。
戦略がないなら、プロセスに従う
知性を働かせて、戦略を見つけ出そうと努力しても、結局、企業戦略が見つからないこともあるだろう。それでも、絶望する必要はない。そういう場合は、会社のビジネスプロセスに従い、実装すればいい。私は、活気あるIT企業にはしっかりとした企業戦略が備わっているはずだと考えているが、実際のところ、IT部門の仕事はもっと直接的に会社のプロセスにリンクされている。ITインフラ(つまりサーバ、ネットワーク、ヘルプデスク)は、企業がどのようなプロセスを必要としているかによって決まってくる。会社に実装されたシステムは、その会社の管理機能(人事や経理など)と業務プロセス(調達、サプライチェーン管理、製造など)、両方の主要なプロセスに相当する。
日常的な観点からすれば、会社の戦略を明確にするよりも、こうしたプロセスを理解することの方が、まず間違いなく重要だ。ただし、会社がどこへ向かっているかを理解すれば、「結局のところ、IT部門には何が求められているのか」という点もよく理解できるはずだ。それに、自分の会社には熟慮された未来の展望があるということを知るのはうれしいものだ。
もし、いずれの方法もうまくいかないようならば、CEOに自社の戦略を尋ねるという最後の手段も残っている。ただし、その際は慎重に。CEOは恐らく、自社の戦略は社内であまねく理解されているものと思っているだろうから。ほとんどのCEOは、自社がどこを目指しているのかを社内に周知させることがどれだけ難しいかを認識していない。
著者のジェームズ・チャンピー氏は、情報技術サービス大手、米ペロー・システムズのコンサルティング業務担当会長で、同社の戦略責任者も務める。同氏は、「Reengineering the Corporation」(邦題:リエンジニアリング革命―企業を根本から変える業務革新/日本経済新聞社)、「Reengineering Management」(邦題:限界なき企業革新―経営リエンジニアリングの衝撃/ダイヤモンド社)、「The Arc of Ambition」、「X-Engineering the Corporation」などのベストセラー書籍の著者でもある。
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