バージョンアップ「1つ飛ばし」の法則?
Windows Vistaは単純に飛ばしていいものか
急いで全面的にWindows Vistaを導入する必要はないが、まだWindows 2000を使っている企業は移行を真剣に考えるべきだ。Windows 2000のサポートは2010年7月で打ち切られる予定だ。
Windows Vistaの採用に二の足を踏んでいるCIOが多いようだが、これ以上長く待つのは賢明ではなさそうだとの見方で専門家は一致している。
Gartnerが2007年末に実施した調査によると、米国内の企業のデスクトップPCでWindows Vistaを搭載しているのは1%に満たなかった。ノートPCでも約2.5%のみだった。
この調査はWindows Vistaの発売後約1年の時点で実施され、Gartnerによれば数は少ないが北米を代表する177の企業から回答が寄せられた。Windows Vistaは発売後ずっとITの不満の種であり、メディアの評判も芳しくなかった。2008年2月にはWindows Vista Service Pack 1(SP1)がリリースされた。
北米の回答者のうちほぼ40%がGartnerに対し、Windows Vistaの採用は2009年まで待つと答えており、切り替えを急ぐCIOがほとんどいないのは明らかだ。景気が減速する中、それよりもっと長くかかるかもしれないと、アナリストのアネット・ジャンプ、マイケル・シルバー両氏は報告書で述べている。
米ノースカロライナ州ヒッコリー市のITディレクター、ジェフ・ブリテン氏は、市に新しいPCが必要になるたび段階的にWindows Vistaへ切り替えている。2007年秋にこのOSの試験導入を実施し、大きな問題は見つからなかった。しかし採用を急ぐ理由も見つからないという。
「一挙に変更しなければならない理由は何もない」とブリテン氏は言い、陣容10人のIT部門が「致命的問題に見舞われた」こともないと付け加えた。
唯一の問題は、660人の職員を抱える市の消防部門で利用しているアプリケーションが、1つだけWindows Vistaに対応していないことだった。この部門ではWindows XPを使い続け、残るWindows 2000は段階的に廃止する。
「これから導入する新しいマシンはすべて、決定的な理由がない限りWindows Vista搭載になる。一挙に変更することはない。数年前、Windows 2000を導入したときはそうしたが、今回は段階的に導入する」(ブリテン氏)
Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは、新しいWindows XP契約の道も残している。同社のスケジュールでは2008年6月にWindows XPの配布をやめることになっていた。しかし、もしCIOやその部下がWindows Vistaを恐れ、あるいは単純に相手にしていないとしたら、そのままWindows Vistaを無視してやっていけるのだろうか。
Windows XPの最近のバージョンを使っている会社なら、多分大丈夫だろうと話すのは、Directions on MicrosoftのWindows専門アナリスト、マイケル・チェリー氏だ。
「わたしの経験で言えば、1つ前のバージョンに戻れる余裕がある。マイナス1は構わないが、マイナス2や3になると問題が出始める。バージョンアップは「1つ飛ばし」にすればいいと思っている組織は恐ろしく多い」(チェリー氏)
Windows XPユーザーには数年後に登場するWindows 7を待つという手もあるとチェリー氏は言う。しかし、Windows 7がWindows XPと同じような使い勝手になるとは期待しない方がいいとくぎを刺し、むしろWindows Vista的になるのはほぼ確実だと指摘する。Gartnerの調査では、企業のノートPCとデスクトップPCの80%近くが2007年末時点でWindows XP搭載だった。
Windows VistaはSP1のリリースで採用に弾みが付くはずだとチェリー氏は言う。
「OSは最初のサービスパックが出るまで導入してはいけないという昔からの神話には真理があると思う。特定のアプリケーションがブロックされれば起動さえできない。それほど重要なのだ」(チェリー氏)
Windows Vistaにアップグレードするための経費もCIOを踏みとどまらせている要因かもしれないとチェリー氏は見る。特に、既に作業量が手いっぱいというIT部門にはそれが言える。その場合、ブリテン氏のように「新しいマシンを買うごとに」プランを採用することになるのかもしれない。
導入が進まないもう1つの理由は、単に考え方の問題かもしれない。Windows Vistaは重要なリリースだが、OSが大きな節目になる時代──Windows 95やWindows 98のように──は終わったとチェリー氏は言う。
実際の製品について言えば満足しているとチェリー氏。企業はただ、適切なエディション(Windows Vistaには企業向けに3つ、個人向けに2つのエディションがある)を選ぶこと、そしてPCが相当のスペックを要する動作環境を満たしていることを確認する必要がある。
Windows XPユーザーはWindows Vistaへの移行を「急ぐ必要はない」が、SP1が登場した今、テストは開始すべきだとGartnerのアナリストは述べている。ただしチェリー氏の「1つ飛ばし」の法則に照らせば、Windows 2000ユーザーはWindows Vistaへの移行を真剣に考えるべきだという。MicrosoftはWindows 2000のサポートを2010年7月で打ち切る予定だ。
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